2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能特性およびDNAメチル化を用いた愛着関連障害の生物学的診断の確立
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20K13950
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
濱村 尚子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (20869945)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不適切養育 / 虐待 / トラウマ関連障害 / 脳イメージング / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
児童虐待などの不適切な養育経験は子どもの発達に影響を与え、生涯に渡り負の影響を及ぼす。成人期にはうつ病など多くの精神疾患の発症リスクになるため、被虐待児に対する適切な介入が必要不可欠である。児童虐待などの不適切な養育経験によって引き起こされる反応性愛着障害(RAD)や脱抑制型対人交流障害(DSED)の症状に関連する神経基盤は十分に分かっておらず、臨床診断が可能な客観的な診断法も未だ確立されていない。本研究の目的は2つである。①不適切養育を背景に児童養護施設に入所中の施設養育群と不適切養育の経験のない非施設養育群に分けて、生物学的な視点から両群間の相違性を明らかにすることである。②RAD症状やDSED症状を得点化し、それらの症状を有する群と有さない群に分けて、生物学的な視点から両群間の相違性を明らかにすることである。本研究では9歳から18歳までの施設養育群28名と非施設養育群33名を対象に機能的MRI(fMRI)を用いて脳画像データを収集し、安静時機能的結合(RSFC)の解析を行った。先行研究をに基づき扁桃体と海馬を基点としたSeed-to-Voxel解析を行った。また、両群それぞれの主養育者に対し、RAD/DSED症状に関するアンケートおよび半構造化面接を施行し、得点化した。目的①に関して、施設養育の有無を主効果とした場合、有意な群間差のある結合部位は認めなかった。目的②に関して、RAD症状の中でも対人関係や情動の不安定さの項目(RADb症状)を主効果とした場合、左側の海馬を基点としたところ、右側の島皮質などを含むクラスターとの間に有意差のある結合を認めた。現在、これらの結果をまとめ、論文執筆中である。
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Research Products
(2 results)