2020 Fiscal Year Research-status Report
医療的ケアのある重症心身障害児への機器による呼吸運動育成理学療法プロトコルの開発
Project/Area Number |
20K13955
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
金井 欣秀 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (80615477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工呼吸器 / 救急蘇生バッグ / 肺コンプライアンス / 重症心身障害児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は重症心身障害児の健全な胸郭の形成ならびに健康的な呼吸運動の育成を進めるプロトコルの開発を目的に実施している。重症心身障害児においては脊柱および胸郭の変形とともにしばしば呼吸障害を呈する。それら呼吸障害に対する事後の対応としての呼吸理学療法ではなく、健全な呼吸を育成するために予防的に呼吸障害が悪化する前に行う理学療法プロトコルを開発することが本研究の意義である。健康的な呼吸運動を育成する理学療法プロトコルが重症心身障害児の呼吸障害を予防・緩和することにつなげられる可能性があるという点が重要である。当初の研究実施計画においては2020年度は①非侵襲的人工呼吸器により健常者の肺への送気を行い、肺コンプライアンスの即時的変化を引き起こすのに有効な送気量・送気圧を明らかにすることや、その際の②健常者の胸郭可動性の変化を評価する方法を明確にすることを目的としていた。以上の事柄を重症心身障害児へ介入を行うための予備的研究として実施することとしていた。実際には①非侵襲的人工呼吸器による健常者の肺コンプライアンスの即時的変化を惹起する換気条件を複数施行し、解析を行いつつ、肺コンプライアンスを厳密に測定する方法を検討している段階である。②については胸郭可動性の変化を非侵襲的に評価するために、胸郭体積の変化量を指標として測定する目的で、測定方法を開発すべく検討を行っている段階である。現段階で採用しようとしている胸郭体積変化量の測定方法としては胸郭表面にセンサーを装着し、吸気時と呼気時のそれぞれの体積の差分を測定し、指標とする予定で検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に完遂予定であった①非侵襲的人工呼吸器により健常者の肺への送気及び肺コンプライアンスの即時的変化を引き起こすのに有効な送気量・送気圧の探索、②健常者の胸郭可動性の変化を評価する方法の開発はコロナ禍の広がりに伴い、人間の呼吸を主たる研究テーマとする本研究課題にとって、研究環境を作ることが難しく、②の実験実施は2021年度の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施できなかった②健常者の胸郭可動性の変化を評価する方法の開発については2021年度に実施し、2021年度に元来実施する予定であった重症心身障害児への安全で適切な介入方法の開発についても、同年度に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究進捗状況の遅れにより、研究費支出もあわせて遅れているため。2021年度には2020年度に実施できなかった研究内容についても実施する予定であるため、次年度使用額として使用する予定である。
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