2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児間の相互交渉が神経基盤に与える影響の解明と育児支援環境の構築
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20K13967
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 由佳 (白川由佳) 慶應義塾大学, 文学部(三田), 特別研究員(RPD) (50750402)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コミュニケーション行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼児のコミュニケーション行動を促進させる育児支援環境の構築である。本研究では、(1)同齢の幼児間の相互交渉経験がもたらす行動面の特徴を数値化して特定すること、(2)こうした経験の影響が及ぶ脳領域・神経伝達物質を明らかにすること、(3)他児との関わりの少ない子どもを対象に、介入トレーニングを行い、介入前後での行動面・神経系の変化を明らかにすることによって、生物学的根拠に基づいた支援環境の構築を目指している。 令和4年度は、上記(1)および(2)について取り組み、①相互交渉の経験有無に伴う、コミュニケーション行動の差異を定量的に判別可能な行動解析系の構築と②脳波計測による神経基板解析へ向けた実験条件の設定を目標とした。 ①については、研究機関の異動が生じたため、新たな研究機関における実験環境の構築行った。新型コロナウィルス感染症対策の観点から、他者と密に接触する可能性のある環境設定を回避し、通常とは異なる環境の影響が最小限となるような評価方法の開発を進めた。感染症の影響により、積極的な被験者実験の遂行は困難ではあったが、実験環境の構築と少人数ではあるが成人を対象とした予備検討実験を実施した。 ②については、再度の申請者の所属研究機関の変更と感染症の影響により、当初計画していたMRI/MRSによる検討がより困難な状況となったことから、脳波計測による神経基盤解析を進めた。物的環境面では、ダミー実験を通して再現性および信頼性のある脳波計測環境を確立した。運用面では、ヒトを対象とした臨床研究の申請を行い、承認を得た。また、予備的検討として、外的刺激が認知機能に及ぼす影響について成人を対象とした検討を行った。その結果、特定の聴覚刺激により、聴覚記憶形成が阻害される可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響が大きく、主に被験者を対象とした実験が当初の予定通り遂行できず、十分な被験者数が確保できなかった。そのため、現在までの進捗状況は遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
行動定量解析系の構築は、本研究において重要な基盤となることから、十分な実験および検討を要する。令和4年度においても、新型コロナウィルス感染症の影響が大きく、十分な被験者数が確保できなかったことから、令和5年度も引き続き、被験者を対象とした検証実験を行い、行動解析系の確立を目指す。神経基盤解析実験においては、脳波計測による検討を進める。介入研究については当初の計画通り、定量行動解析系の構築を終え、神経基盤検討のデータ収集・解析が一定程度達成できた時点での開始を予定している。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、当初の計画では実験被験者に対する謝金や実験補助者に対する人件費を主に計上していた。しかし、研究代表者の異動に伴う研究実施機関の変更による実験環境の再構築に時間を要したこと、新型コロナウィルス感染症の影響により、被験者を対象とした実験遂行が困難であったため、それらの経費および実験実施のために必要な消耗品類の購入費について未使用となった。以上のことから次年度使用額が生じた。 次年度となる令和5年度では、遅れが生じている、被験者を対象とした行動実験および神経基盤解析実験の遂行を計画しており、主として実験被験者謝金や実験補助者に対する人件費、実験用消耗物品費を今回生じた次年度使用額を使用する。また、国内学会発表および英文論文投稿を計画しているため、それらにかかる経費を計上する。さらに、実験実施場所の確保のための設備使用費を計上予定である。
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Research Products
(7 results)