2022 Fiscal Year Research-status Report
教師の発達におけるワークライフバランスの影響の解明と家庭科教員養成への応用
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20K13976
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
瀬川 朗 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80848523)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教師 / 職能成長 / ライフストーリー / 教職イメージ / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,家庭科教員のワーク(職業生活)とライフ(個人的生活)の相互の影響を可視化すること,そしてその成果をもとに教職志望学生を対象とした授業実践プログラムの開発を目指している。令和4年度は,令和3年度までに得た家庭科教員のライフストーリーと授業実践の事例と,家庭科教員のカリキュラム・デザインへの個人的生活経験の活用モデルをもとに,教職課程を履修する大学生に対して,家庭科教師としての生活を具体的に展望できるような授業プログラムを実践した。授業実践は令和4年度前期に教科及び教科の指導法に関する科目において教員を志望する大学生12名に対しておこない,授業終了後に履修者6名に効果検証のための半構造化インタビューを実施した。多様な類型の教師のライフストーリーに触れることは授業実践をおこなうことに対する不安を軽減することには寄与したと考えられるが,家庭科に関する被教育経験に乏しい学生に対しては,自身の家庭科に関する被教育体験を対象化させ,省察させるために,さらなる改善を要することが明らかになった。また,開発した授業実践プログラムの修正のため,中学校の技術・家庭科(家庭分野)に対する質問紙調査を追加的に実施した。質問紙調査は,中学校教員について,高等学校教員と個人的生活経験と職業上の経験の関連に同様の傾向がみられるのかを比較・検討することを主な目的としてデザインした。 その結果,中学校と高等学校では概ね類似の傾向が示されたものの,カリキュラム・デザインにおいて公的カリキュラムを重視する傾向はとくに中学校教員に強くみられることなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度に変更した計画通りにおおむね進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
教員を志望する大学生に対するインタビュー調査を詳細に分析し,家庭科教員のライフストーリーと授業実践事例提示の有効性の検証をおこなう。また,中学校教員と高等学校教員のカリキュラム・デザインに対する個人的生活経験の影響を比較する。得られた結果を学術雑誌に投稿するとともに,最終年度としてこれまでの研究成果を報告書にまとめることを予定している。
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