2020 Fiscal Year Research-status Report
古典教育における主体的・対話的な学びを実現するための教材・授業の研究
Project/Area Number |
20K13986
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
井内 健太 金沢学院大学, 文学部, 講師 (50825552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国語教育 / 古典教育 / 学習指導要領 / 主体的・対話的で深い学び / 教科書研究 / 源氏物語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高等学校における新学習指導要領のもとでの古典教育のあり方について、教材及びそれを用いた授業の観点から明らかにする。 今年度は、改訂された学習指導要領の実施、改訂された国語教科書の使用開始に先がけて、現行の古典教育について調査を行った。調査は、①教材について、②授業実践について、以下のように行っている ①平成28、29年度に検定された高等学校での国語教科書に収録されている古典教材を確認した。次に、教科書に収録されている『伊勢物語』、『土佐日記』、『枕草子』、『源氏物語』、『更級日記』などの平安時代の文学を中心に教材を取り上げ、国語教育学分野での先行研究の調査を行った。また、『伊勢物語』、『源氏物語』、『更級日記』に関して、国文学分野での先行研究の知見を援用しながら、更なる分析を加えた。 ②中・高での古典の授業において「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた実践例を収集した。ここでは、古典の授業の中で「主体的・対話的で深い学び」を実現することの意義、効果、可能性といった観点での分析を目指している。これと並行して、古典教育の理論についての近時の研究を確認し、本研究の準備としている。 さらに、近時の古典教育の是非をめぐる議論の高まりを受け、本来研究の予定にはなかった古典教育の意義に関する理論構築の必要に迫られた。古典教育の必要性を自明とする自身の研究態度を見直し、国語教育史における古典教育の位置付けについて、先行の議論・研究を確認、整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の対策にともない、本来実施できるはずだった調査・研究が大きな制限を受けたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に採択・供給が開始される新たな国語教科書について、その収集と掲載教材の調査・分析を行う。それに基づいて、新学習指導要領のもとで実施される古典の授業のあり方について検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症への対策として、学会参加や調査等が行えず、当初予定していた旅費が節約されたため。 また、購入を目論んでいた資料(学習指導書)が購入できないものだったため。 今後は、節約された助成金をもとに、当初予定に組み込んでいなかった国語教育学・国文学の資料の入手に充てたい。
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