2021 Fiscal Year Research-status Report
日米比較を通した幼年期の創造的美術教育モデルの構築
Project/Area Number |
20K13987
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
渡部 晃子 帝京科学大学, 教育人間科学部, 助教 (40613493)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 創造性 / 創造性研究 / 幼年期 / 教育モデル / 教育方法 / アメリカの芸術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究を踏まえながら特に1920年代のアメリカの芸術教育の影響について調査・考察を行い、その成果をまとめた。 1920年代のアメリカの芸術教育の文献は、当時の日本の実践記録・教材に多く引用されており、それらの分析・比較によって考察を行った。これにより当時の影響関係の具体的な事例(霜田静志)を挙げて確認することができた。一方でアメリカにおける創造性研究の歴史、特に1960年代を中心として調査し、その整理・分析を行った。また具体的に創造性を引き出すための様々な技法について調査・収集にあたった。 アメリカでは1960年代に創造性研究およびその教育が盛んに推し進められたが、芸術教育では公的資金の投入によってその学問的組織化が急がれていたと考えられる。アメリカの創造性教育の萌芽期に焦点を当て、その過程を詳述するとともに同時期の芸術教育の動向と比較考察した。これにより創造性に関わる研究・教育を多面的に捉えることを試みた。 1960年代のアメリカでは創造性や創造的行動、創造的問題解決など様々な要素から研究がなされており、同時期の芸術教育の動向と対比してみると、その教育の多様性が垣間見られた。さらに創造性教育の具体的な教育方略として幾つかの教育方法に着目し調査・分析を進めた。今後の課題として創造性教育の具体的な方略について引き続き調査を進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカの芸術教育との影響関係について調査・考察することにより、アメリカと日本の芸術教育の違いを意識することにつながった。しかし、国内外の創造性研究の渉猟と教育における創造性についての考察は今後も行っていく必要があり、やや遅れが生じている。来年度の課題としては引き続き創造性研究の文献調査を進めながらその成果をまとめるとともに、実践的な方略、技法について収集・考察を深めたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
第一に国内外の創造性研究の渉猟によって1960年代以降の創造性研究の流れを俯瞰的に辿り、その教育がどのようになされてきたかについて概観しながら、前年度に調査・分析した内容を見直す。その上で1960年代の創造性教育と芸術教育の比較を進め、論文にまとめる。教育における創造性の定義や位置づけ、美術教育において育成できる創造性についても検討を行う。 第二に創造性教育の方法についての事例を収集・調査し、創造性を引き出すための様々な技法を美術教育のモデルに応用できないか検討する。
|
Causes of Carryover |
学会参加のための交通費を計上していたが大会参加がオンラインとなったことにより交通費が不要となった。残額は今後、論文掲載費や交通費、文献購入費、物品費に充てたい。
|