2023 Fiscal Year Research-status Report
日米比較を通した幼年期の創造的美術教育モデルの構築
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20K13987
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
渡部 晃子 帝京科学大学, 教育人間科学部, 講師 (40613493)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イメージ / 幼児の模倣表現 / ごっこ遊び / 創造性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は豊かなイメージを育む為に幼児の模倣表現に着目し、その教育方法について具体的に検討した。特に子どもの「ごっこ遊び」に焦点を当てて大学生とともに実践を行い、その過程や成果を考察した。 ごっこ遊びは、演じるということばかりでなく、自分で「つくる」ということから始めることができる。そのような造形表現から始まるごっこ遊びは、より実感を伴い、豊かなイメージ形成やつくる喜びにつながるのではないかと仮定した。そこで実践の流れを「つくる」ことから「ごっこ遊び」へとつながるようにし、他者との交流も深まるよう企画した。 大学における教育実践をとおして大学生の幼児との関わりによる学びや子どもの「つくる」ことから「ごっこ遊び」への展開による表現の深まり等について考察した。幼児のイメージ形成の過程の中でごっこ遊びが果たす役割、特に造形表現の見地から検討する意味を見出すことができた。今後は幼児の模倣表現の事例についての先行研究や教育的事例の収集に一層努め、多角的観点から幼児の模倣表現の内容を追究していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで創造性の定義および創造性研究の歴史、芸術教育における創造性について文献調査をもとに検討、考察し、明らかにしてきた。 昨年度は予定よりも資料調査を十分に実施することができなかった。そこで引き続き継続的に国内外の資料調査を実施し、学会発表や論文執筆を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度における教育実践での検討および考察を踏まえて、国内外のごっこ遊びの先行研究、実践事例の収集にあたる。ごっこ遊びについてその種類や発達過程をもとに調査し、特に造形表現的観点からイメージ形成にごっこ遊びが果たす役割について検討、考察する。 またこれまでの美術教育に取り入れられてきた創造性に関わるカリキュラムを日米の教科書をもとに抽出する。それにより日米の比較による違いや特徴を分析、考察し、美術教育における創造性についても定義づけを行う。 さらに前年度に行った教育実践を改善しながら再度検討して実践するなどして創造的教育モデルの開発を目指す。申請者が過去に研究してきた海外の鑑賞モデルについても参照しながら表現と鑑賞および子どもの模倣についての分析や考察を進め、それぞれが相互に関連しながら高め合うモデルを構築する。
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Causes of Carryover |
申請者の研究の遅れにより、海外における調査を実施することができなかったことや文献調査に時間を要してしまったことによる。来年度は海外における調査を実施できるよう計画調整し、旅費、文献複写費にあてる。さらにその成果をまとめて論文および学会発表を行って論文投稿費、旅費に使用する。その他に教育モデル構築のための材料・用具費に使用する。
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