2023 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of a biodiversity training program for elementary school teachers
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20K13994
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Research Institution | Research Institute of Environment, Agriculture and Fisheries, Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
近藤 美麻 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 研究員 (40737590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生物多様性 / ESD / 教員研修プログラム / 生態系サービス / アンケート調査 / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
教員を対象とした研修を計3回実施した。実施にあたっては研修の前後でアンケート調査を行い、研修効果を把握した。研修に用いたプログラムには生物多様性に関する基礎的な内容のほか、30by30やネイチャーポジティブの考え方、条件付特定外来生物等の新たな情報等を取り入れたほか、生態系サービスの具体例および生物多様性と教科書単元との関連性を考えるグループワークを導入し、生物多様性の観点から教員自身の知識や教科教育へのリフレーミングを促した。研修の結果、生態系サービスの実例を考えるグループワークで挙げられた例を生態系サービスの4つの分類(供給,調整,基盤,文化的)毎に計数すると,最も多く挙げられたのは供給サービス,次いで文化的サービスであり,日常生活の中で自らが使用・体験する身近な例が多かった。教科書単元と生物多様性の関わりを考えるグループワークでは,各学年で生活と理科の単元が,3~5年生ではそれに加え社会や国語の単元も挙げられた。単元での学習内容に関連する生物多様性の事項としては,各学年で3つの多様性が共通しており,3年生以上では生態系サービスも挙げられた。事後アンケートの結果より、グループワークを通して他者と意見交換をすることで,生態系サービスの理解が深まった様子が伺えた。この結果は日本ESD学会第7回近畿地方研究会にて発表した。 また、教科書単元と生物多様性との関連性について検討するため、理科、生活科、社会科、国語科、道徳科の教科書研究を通じ、生物多様性に関する内容を踏まえた授業が可能である単元について検討した。さらに、身近な自然から生物同士のつながりを考えることができるプログラムの基礎データの集積のため、府内8校の小中学校の校庭で生物調査を実施した。 2022年までに実施した教員を対象とした生物多様性研修プログラムの効果検証結果をまとめ、日本ESD学会誌へ投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教員を対象とした研修を実施し、アンケート調査により効果検証を行うことができた。また、教科書研究や校庭における生物調査を実施し、新たな研修資料作成に向けた基礎的情報の蓄積を進めたが、それらの内容を踏まえた研修資料の開発には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
教科書研究や生物調査の結果もふまえ、新たな研修資料の開発に取り組む。また、それらを活用した教員研修を実施し、効果検証を行い、その結果をふまえ研修資料をブラシュアップする。研修資料をまとめ、配布物を制作するとともにホームページ上で公開する。
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Causes of Carryover |
2020年7月から産育休を取得し、2022年の研究再開以降、計画を後ろ倒しで遂行していることから、繰り越しが生じた。最終年度にて全額執行予定である。
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