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2021 Fiscal Year Research-status Report

文学以外の古典資料を活用した新たな古典教育教材の開発―推論能力の育成と共に―

Research Project

Project/Area Number 20K13999
Research InstitutionOsaka Kyoiku University

Principal Investigator

清田 朗裕  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30784003)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords実用文 / 指示語 / 教科書 / 手紙文 / 往来物 / 学習指導要領 / 教材開発
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,文学以外の古典資料を(も)活用した古典教育を通じて,児童・生徒に古典に対する学習意欲をもたせ,古典嫌いの児童・生徒を減少させる教材開発を行うものである。〈文学作品以外の古典資料の発掘〉と,学習意欲向上のための汎用的能力の育成,特に〈推論能力の育成〉を目指す研究を進めている(〈 〉内が特に重要な部分)。
2021年度は、以下、①~③の成果を挙げた。①新学習指導要領に対応した先行研究の収集と批判的考察、②推論を伴う指示語の分析、③文学作品以外の古典資料を活用した教材開発に向けた打合せ及び実践研究、である。
①については、関連図書・先行研究を収集した。新学習指導要領に基づく新設科目「現代の国語」及び「言語文化」が抱える問題点を指摘する文章を、言語学系の出版社のHP上で連載した。さらに、中学校と高等学校における言語事項が、国語教科書内ではどのように連携されているのかを調査する中で気づいた、中学校国語教科書におけるアクセント記述の実態について考察した。
②については、トヤカク(ヤ)と、Nハサテオキという形式の調査を行い、指示対象の検討から、推論がどのように働いているか考察した。
③については、『竹取物語』のかぐや姫が、翁と帝に認めた手紙文を比較し、その表現差異の分析を行ったうえで、研究協力をお願いした附属学校教諭に実践を行ったてもらい、生徒の授業の反応や記述内容を分析し、その結果を全国大学国語教育学会で発表した。また、大学生を対象とし、往来物という古典における実用文を活用した教材開発に向けた予備調査を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度の進捗状況は、以下①~③である。
①新学習指導要領に基づく国語教育関係の資料収集を行い、「現代の国語」及び「言語文化」の抱える問題点を、出版社のウェブ上の連載を通じて社会に広く発信した。②トヤカク(ヤ)とNハサテオキを調査し、指示語を含む副詞及び慣用表現の意味・機能を明らかにしつつ、指示対象の違いからどのように推論が働いているかを検討した。③実用文の調査のため、『竹取物語』にみられる手紙文の比較と、それに関連する教育実践を行った。また、往来物を古典教育教材として活用するための予備調査を大学生を対象に行い、データを収集した。
以上について、本年度は、研究課題に関するものとしては、研究発表4件(うち全国学会2件、研究会1件、ポスター発表1件)、論文2本(うち査読有1本)を発表した。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は、計画になかった所属機関の変更が生じたため、研究体制を再整備する必要に迫られていることから、主に以下の①、②の研究活動を推進する計画を立てている。
①往来物を含む古典における実用文の古典教育教材化に向けた分析と、教育現場での実践研究とその成果発表(継続課題)
②新学習指導要領に基づく「現代の国語」「言語文化」における推論が関わる記述の分析

新型コロナウイルス蔓延の状況に合わせてではあるが、必要に応じて、対面型、リモート型の実践を行っていく。なお、2023年度には、新学習指導要領に基づく高等学校国語の教科書が全て出揃うため、2022年度における文部科学省や教科書検定の合格状況の動向にも注視する。

Causes of Carryover

新型コロナ禍が続いたことにより、調査や学会発表のための旅費の申請額が、昨年度に続き当該年度もほとんど使用できなかったこと、また、実践研究を行えない状況が続いていたため、そこで使用する予定であったタブレット機器等の購入ができなかったことにより、次年度使用額が生じている。
2022、2023年度は、夏休み等の時期に、集中的に研究調査の出張を計画しており、また、必要なタブレット機器等の調達も進め、実践研究に活用していく予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 中学校国語教科書におけるアクセント記述小考2022

    • Author(s)
      清田朗裕
    • Journal Title

      国語と教育

      Volume: 47 Pages: 35-44

    • Open Access
  • [Journal Article] 転換を表すNハサテオキの成立過程――中古から近世前期までを対象に――2022

    • Author(s)
      清田朗裕
    • Journal Title

      語文

      Volume: 116・117 Pages: 110-121

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] アクセント学習に加えたい観点―中学校国語教科書におけるアクセント記述の実態から―2022

    • Author(s)
      清田朗裕
    • Organizer
      第10回附属学校園教員と大学教員との研究交流会
  • [Presentation] トヤカク(ヤ)の歴史的変遷2021

    • Author(s)
      清田朗裕
    • Organizer
      第125回国語語彙史研究会
  • [Presentation] 『竹取物語』「かぐや姫の昇天」にみられる「文(ふみ)」の表現差異2021

    • Author(s)
      清田朗裕
    • Organizer
      第141回全国大学国語教育学会世田谷大会(オンライン)
  • [Presentation] 中学校国語科における手紙文の活用ーLINE から往来物までー2021

    • Author(s)
      今井博登 清田朗裕
    • Organizer
      第141回全国大学国語教育学会世田谷大会(オンライン)

URL: 

Published: 2022-12-28  

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