2023 Fiscal Year Annual Research Report
いじめ防止対策推進法の組織を活用した学校の生徒指導システムへの包括的支援の検討
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20K14007
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉村 隆之 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 准教授 (50827144)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | いじめ / いじめ防止対策推進法 / 学校安全安心アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、研究1として、前年度に作成した「学校安全安心アンケート」を中学生が自ら回答、活用しやすいアンケートにするために、生徒会の生徒を中心に回答しての感想や意見を反映させて更新した。更新されたアンケートでは、生徒からのいじめの報告があり、いずれも早期対応につなげることができた。 研究2としては、学校のいじめ防止対策組織が、どの程度機能しているのかについて、全国の高校生を対象に、小中学生時代の経験をオンラインアンケートで尋ねた。その結果、小1から中3までの間に、学校の予防的取り組みとして、①学校でいじめに対する学校の方針や取組みについて、説明を受けた経験は約5割弱、②いじめを減らして学校や家庭で安心して過ごすのに役立つ講話を聞いたり、授業を受けたりしたことがある経験は約5割弱であった。また、小1~中3までの間に、学校でいじめを被害、加害含めて経験した割合は、各年度において1割~2割強で、特に小6~中2の間に経験した生徒が2割を超えていた。またいじめを経験した児童生徒に、学校の対応の評価を尋ねたところ、肯定的な評価としては、「何があったのか、自分がされたことについて、具体的に話を聞いてくれた」が4割強で最も多く、否定的な評価では「いやな出来事に気づいてもらえなかった」が4割弱で最多であった。また加害生徒では、肯定的な評価は「何があったのか、自分がしたことについて、具体的に話を聞いてくれた」が4割弱で最多であり、否定的な評価では「自分のしたことについて、一方的に話をされた」が2割強で最多であった。 研究1も研究2も、学校のいじめに関する取り組みを、生徒の体験や意見をもとに検証し、反映させた研究として貴重であり、今後の学校におけるいじめ防止対策へさらに発展させていきたい。
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