2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児教育と小学校教育の円滑な接続を実現する「ことば」の教育カリキュラムの開発
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20K14010
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
春木 憂 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60825363)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 幼小接続期教育 / 領域「言葉」 / 教科「国語」 / 言語発達 / 音韻意識 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
領域「言葉」及び「国語科」，幼小接続期カリキュラムに関する文献調査によって，理論の検討を進めた。特に，円滑な幼小接続を実現する教育やカリキュラムの構想については，2020年度から継続して予備調査や文献調査を行った結果をもとに以下のように整理し，学会発表により公開した。1）平仮名や片仮名の誤表記がエンコーディングやデコーディングにかかわる課題によるものである場合，「読むこと」の学習に支障をきたすことが想定される。2）国語科の学習に入る前段階として，あるいは並行して，接続期の幼児や児童の音韻意識を十分に発達させることが必要である。3）子どもの課題にもとづいて言語学各領域やインターフェイスに関する知見を活用することによって，適切な児童理解及び個別最適な教育や支援に繋がる。
また，2021年度に予定していた接続期カリキュラムの実践実態及び幼児や児童の「ことば」の発達に関する実態調査について，移動制限等によりフィールド調査の拠点を変更した。また，これまでの研究過程において，全市的なアンケート等による悉皆調査に比して，個別の学校園や学級を対象とした，継続的な実地調査の必要性が高いと考えられた。
以上のことから，研究協力学校園及び学級を限定し，年間を通して接続期カリキュラムの実践実態及び幼児や児童の「ことば」の実態についての調査を行うこととした。この方向性を見出したことにより，より適切なデータ収集が可能となった点が一つの成果である。
さらに，「ことば」に関する保育・教育及び幼児・児童の実態調査に向けて，研究協力学校園の同意を得たうえで，調査計画の共有，日程調整，機材等の準備を整えた。予備調査としては，国語科授業の録画録音データ及び児童の記述データの収集を協力校の協力を得て継続している。併せて，学校長，教員との授業カンファレンスや聞き取りによって，教員や児童，授業に関わる情報提供を受けている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の進捗状況を踏まえて当初の計画を再考し，修正した。領域「言葉」，国語科を中心としたカリキュラムに関する文献調査によって，「ことば」に関わる幼小接続期カリキュラムの理論の検討すること，カリキュラムベースでの教科書やフィールド調査の準備を進めることを2021年度研究計画の中心に据えたことにより，修正計画上は順調に進行している。
また，新たな研究協力学校園との情報共有や調整，予備調査が順調に進んだ。調査に使用するビデオカメラやICレコーダー等機材の準備がおおかた整った。
一方，2020年度に引き続き，移動の制限や幼児教育や小学校教育の現場における感染防止対策や多忙化により，幼児や児童の実態についてのフィールド調査の実施が困難であった。そのため，当初計画で設定していたデータの整理と分析はもとより，そのもととなるデータの収集が行えたとは言い難い状況である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，理論面の研究として，幼小接続期の「ことば」の教育について，音韻論に加えて形態論や統語論，また，それぞれのインターフェイスから検討を重ねる。加えて，円滑な幼小接続の具現化のために，領域「言葉」，国語科に限定せず，教科等横断的，総合的に「ことば」の教育について構想する。
また，実践面の研究として，研究協力幼稚園，小学校の同意を得たうえで，幼児及び児童の「ことば」の獲得や発達，「ことば」に関する保育・教育の実態調査を行う。特に小学校を対象とした調査では，国語科授業を対象の中心とする。これと並行して，言語発達及び接続期カリキュラムに関する分析フレームワーク等の調査方法を考案する。
以上の結果を統合しながら，幼小接続期カリキュラムや，共同注意，言葉かけ，リキャスト，足場づくりといった，保育者，教育者による援助や介入，指導，活動，授業，環境構成等といった言語発達を支える支援の方法について構想する。
ただし，引き続きフィールド調査については不安定な状況が予想されるため，理論構築を進めながら，研究協力学校園との連携を密にし，機を見て即座に調査を行えるよう，常時準備を整えておく。
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| Causes of Carryover |
当初予定していた学会，研究会等について，感染防止対策のための不開催等により参加できなかったことや，フィールド調査の対象施設（幼児教育施設，小学校）担当者との面談や幼児・児童の観察の実施回数が確保できなかったことが理由である。
次年度は，状況に応じて，オンライン等の方法も含め，学会や研究会等に参加し，対象施設担当者との面談や幼児・児童の観察の回数を確保しつつ，さらに必要となる機材や消耗品等を補充する。
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Research Products
(1 results)
