2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K14033
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
桂 理江子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助手 (60746197)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床実習生 / 情意領域 / 評価表 / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①臨床実習生の情意領域特性を明らかにすること、②各実習期における情意領域評価表(以下、評価表)の項目の変遷を俯瞰し、その特徴を明らかにすること、③評価表の項目間の関連を検討すること、そして④学内学習状況と情意領域評価の関連性について探索することである。 本年度は、本学で使用している評価表の自己評価表としての活用可能性を検討した。2020年度はCOVID-19感染症拡大による影響を受け、学外施設で行う臨床実習を学内にて模擬的に実施することとなった。本評価表は、臨床実習指導者(以下、指導者)に活用いただいているものであるが、臨床実習を学内にて実施するにあたり、学生自身に臨床実習前後に自己評価を行わせた。 その結果、対象者の立場を考える項目と積極性や探求心に関わる項目にて有意な得点の増加が認められた。このことから模擬的な臨床実習においても、学生は対象者の状態をイメージできるようになり、患者貢献意欲が高まったものと考えられた。 今後は従来通り学外施設で臨床実習を行う学生に対しても同様の調査を行い、本評価表が臨床実習における学生の情意面の変化を適切に捉えられるものであるかの検討を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はCOVID-19感染症拡大による影響により、学外施設で臨床実習を実施することが困難となったため、学内にて代替となる臨床実習を行った。従来とは異なる形式での臨床実習となったことで、その情意面の習熟に関しても先行研究から知見を得ることが難しい状況であった。また、本学で使用している情意領域評価表はこれまで指導者による他者評価ツールとして活用いただいていたものであり、自己評価表としての活用実績がなく、過去のデータとの比較ができなかった。 一方で突然の状況の変化にも関わらず、研究計画の一部を変更し、自己評価ツールとしての検討を開始した。それにより模擬的な臨床実習においても学生の情意面の習熟が認められ、評価表の自己評価表としての活用の可能性を確認できたことから、計画は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、研究2年目にあたる2021年度は、対象者数を増加させ、臨床実習生の情意領域特性の要因分析および学内学習状況との比較検討を進める予定であったが、初年度の仕切り直しとして、臨床実習生の情意領域特性の現状分析を、これまでの指導者による他者評価と2020年度より始めた自己評価との両面から進めることとする。具体的には、本学の理学療法学専攻の学生(70名)を対象とし、臨床実習前後における評価表の各項目の比較、および実習指導者による他者評価との値の差異を確認する。 なお、2020年度に行った自己評価に関する分析については今後学会発表の予定であり、それ以降も随時分析結果を公表していく。
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Causes of Carryover |
本年度は研究初年度であったため、パーソナルコンピューターおよび周辺機器や関連書籍購入の必要性があり、前倒し申請を行った。しかし、研究データの蓄積が予定通り実施できず分析も滞っていたことから、統計解析ソフトウェアや、事務物品の購入の必要性が無くなった。また、学会の中止も相次いだことから、学会参加費や旅費の支出も不要となった。次年度に統計解析ソフトウェアを購入しデータの分析を進めるとともに、本研究で得られた結果を学会にて発表していく予定である。
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