2023 Fiscal Year Research-status Report
国際教育寮における教育効果を目指した育成プログラムの開発
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20K14037
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
吉田 千春 中央大学, 法学部, 助教 (70438951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際寮 / 学生寮 / BEVI / レジデント・アシスタント / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際教育寮の質向上に資するため、寮生とRAの成長・学習成果を定量的かつ定性的な手法を用い客観的に測定し、寮生及びRAの育成プログラムを開発し、ガイドブックを作成することで、より教育効果の高い国際教育寮の運営に寄与することである。2023年度は主に国際寮及び国内寮のRAを対象としたBEVI調査及びBEVI調査を受けたRAへのインタビュー調査を行った。 BEVI調査に関しては、株式会社共立メンテナンス(以下,共立メンテナンス)が管理・運営する学生寮の全RA(140名以上)を対象に、RA推進チームの協力のもと、5月と12月に2回実施した。共立メンテナンスは全国約1,300の学校法人と提携し学生寮の展開を行っており、全国のドーミーシリーズの学生寮を対象に2015年からRAプログラムを導入している。 2回のBEVIテストの結果について、寮の特徴ごと(国際寮か国内寮かなど)に全体の傾向やグループ内の差異などを分析するとともに、RAの経験年数による違い、2回受けたRAを対象に変化等について分析した。また、BEVIの自由記述においても、寮生活およびRAに関する記述を対象に分析を行った。さらに、BEVIを2回受検し、許可を得た学生3名に対して、BEVIの結果をもとにインタビュー調査を行った。 これまで、RAの研究は国際寮を中心に行われており、国内寮のRAに関する客観的評価の研究は今まで行われていない。今回、国際寮と国内寮のRAを対象とし、比較を行うことで、共通点と相違点を明らかにすることができた。また、インタビューにおいても、BEVIの客観的データに基づき、個々のRAの内面的変化について明らかにすることができた。これらの研究の成果については2024年度の異文化間教育学会第45回大会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は新型コロナウィルスの影響で実施が難しかったBEVI調査を、対象を拡大して実施した。今までは国際寮のみでBEVI調査を実施してきたが、今年度は国内寮のRAにも実施したことにより、国際寮と国内寮の比較を行うなど、様々な観点から分析を行うことができた。また、BEVI調査の結果に基づき、2回の変化に着目しながらインタビュー調査を行うことで、新たな視点が得られた。 本来は、2023年度に国際寮に関する研究会を行う予定であったが、今年度の成果を踏まえ、2024年度に学生寮をテーマとした研究会またはイベントを実施する予定である。 以上の理由から、「おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施したBEVI調査及びインタビュー調査の分析結果をまとめ、2024年6月に実施される異文化間教育学会第45回大会で発表する予定である。その後、さらに分析を進め、論文を執筆したいと考えている。 また、これまでの成果を踏まえ、学生寮の関係者を集め、学生寮に関する研究会またはイベントを行う予定である。
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Causes of Carryover |
主な理由は次の二点である。第一に、2023年度に「国際寮に関する研究会」を実施予定であったが、BEVI調査の実施が決定したため、それを踏まえた研究会を行うこととし、研究会の実施を次年度に延期したことである。第二に、前年度作成した『国際寮のためのワークブック』の印刷を最終年度に行う予定であったが、研究期間の延長により、印刷の時期を変更したためである。 2024年度に、上記二つを実施するために、使用する予定である。
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