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2022 Fiscal Year Annual Research Report

20世紀アメリカ高等教育におけるデモクラシー―コミュニティとの関係に注目して

Research Project

Project/Area Number 20K14038
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

間篠 剛留  日本大学, 文理学部, 准教授 (90756595)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsアメリカ高等教育 / デモクラシー / コミュニティ / ラーニング・コミュニティ / サービス・ラーニング / 新自由主義
Outline of Annual Research Achievements

高等教育とデモクラシーの関係を論じる場合、アメリカでは、高等教育へのアクセスを拡大することがデモクラシーの理念に寄与するという考え方が根強い。しかし、20世紀を通じて、この一般的な理解に当てはまらないさまざまな理解や試みが展開されてきた。
20世紀初頭には、ゴダード・カレッジに見られるように、J.デューイの影響も受けながら、大学コミュニティそのものを民主化しようとする実験があった。そこには初期のラーニング・コミュニティの実験と重なる関心もあったが、地域コミュニティとの関係も築いていこうとする点で、別の可能性を示していた。
1960年代には、望ましい高等教育や参加の在り方に関する対立的な主張が展開された。学生運動の宣言として有名なポート・ヒューロン宣言は、個人が自分の生活の質や方向を決定づける社会的な決定を共有するような参加デモクラシーを訴えた。一方でカリフォルニア大学で実験カレッジを運営したJ.タスマンはそれを否定し、「従順」を通しての「自由」を主張した。両者の主張はかみ合うことがなかった。
1990年代以降には、新自由主義に対抗してデモクラシーの議論が盛んに行われる一方で、地域コミュニティと連携したり、それを含む広い経済社会と協調したりしてデモクラシーの理念や高等教育の在り方を再構築する試みが行われている。もちろん、その協力関係自体が新自由主義的な価値や経済的な価値を前提にしているためにデモクラシーがそこに取り込まれてしまう、という危険性もある。しかしながら、そのような危険性を認識したうえで、それでも粘り強く対話し高等教育や大学の在り方を模索することが行われている。
デモクラシーの理念は、高等教育の場をコミュニティとし、地域コミュニティやより広いコミュニティとの関係を築きながら、デモクラシーの理念それ自体をも再構成しながら、多様な実験を生み出している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] R・S・ピトキンの高等教育論――重層的なコミュニティ形成をとおしたデモクラシーの実践2022

    • Author(s)
      間篠剛留
    • Journal Title

      日本デューイ学会紀要

      Volume: 62 Pages: 21-30

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Not for Democracy?: Service-learning in Japanese Higher Education as Compared to the United States2022

    • Author(s)
      Takeru Mashino
    • Journal Title

      Educational Studies in Japan

      Volume: 16 Pages: 59-70

    • DOI

      10.7571/esjkyoiku.16.59

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 米国高等教育におけるシティズンシップ教育の可能性―大学への展開、大学からの展開―2022

    • Author(s)
      間篠剛留
    • Organizer
      日本国際教育学会第33回研究大会 公開シンポジウム「危機の時代におけるシティズンシップ教育」
  • [Presentation] 専門職としての教職と学問的資質――進歩主義期の教師たちが目指したもの2022

    • Author(s)
      間篠剛留
    • Organizer
      日本教育学会第81回大会ラウンドテーブル5「社会の分断と対立の時代におけるデモクラシーと教育―米国における教員の専門性の揺らぎ を視点として―」
  • [Book] 「コラム4 大学で道徳を学ぶ?」岸本智典編著『道徳教育の地図を描く : 理論・制度・歴史から方法・実践まで』(総ページ数333頁)所収2023

    • Author(s)
      間篠剛留
    • Total Pages
      6
    • Publisher
      教育評論社
    • ISBN
      9784866240688

URL: 

Published: 2023-12-25  

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