2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism to support student mobility from regional area -Focusing on prefectural dormitories in the Tokyo metropolitan area
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20K14039
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
遠藤 健 早稲田大学, 大学総合研究センター, 講師(任期付) (00837776)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学生寮 / 学生支援 / 地方学生 / 地域移動 / 高等教育政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、首都圏において地方出身学生を受け入れる県人寮に着目し、その設立から現在までの歴史的趨勢を分析することを通して、同郷者の進学移動を持続的に可能とする仕組みを明らかにする。具体的には、適応理論の文献レビューを通じて、進学移動への応用可能性を検討し、地方から首都圏への進学移動者を受け入れる県人寮を対象に、その制度化過程及び学生の適応過程双方を明らかにすることを目的としている。 研究1年目においては、文献調査(適応理論の検討)と実証研究の準備を計画した。文献調査は、海外の学生の移動に関する文献・著書を収集し一定程度整理することができた。さらに、国内の戦前における高等教育に関する著書・資料を収集し、基礎情報も整理した。また、実証研究の準備については、全国学生寮協議会や各学生寮の沿革史や資料を収集した。年度内に4件(会津、土佐、武生、三河)の訪問調査を行い、それぞれの年史を得ることができた。また、これら一部の年史に収められている名簿について、出身大学等を分析データとして整備し、経年変化等を捉えることができるデータセットとして準備することができた。 政策関連資料については、所属大学図書館や全国紙記事検索システム、国会議事録検索システムを使用し、県人寮に関する政策を一定程度整理することができた。これら県人寮に関する政策については、次年度の学会で報告、論稿としてまとめる予定である。 一方、コロナウイルス感染症拡大の影響があり、一部資料収集ができないものがあったため次年度は状況をうかがいながら収集に努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部地方の図書館に所蔵されている資料収集が、所属大学の出張制限があったため出来なかったものの、幸い首都圏内の寮は訪問でき、資料も順調に収集できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、県人寮調査として関係者へのインタビュー調査・史資料収集を行う。1年目に行った理論研究をもとに、2~3年目では実証研究を行う。具体的には、2年目に首都圏の全国学生寮に加盟する県人寮39件を対象に(1)監長へのインタビュー調査と、(2)県人寮の寮史を可能な限り収集し分析する。監長へのインタビューは、明治・大正・昭和時代に各時代に開寮した県人寮から抽出し、県人寮への公的投資の実現に尽力した松村謙三の記念会館(富山県)も予定している。これらの調査においては、各寮が設立、確立されてきた過程を分析することを通して、県人寮に期待された機能を制度面から明らかにする。
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Causes of Carryover |
157円については、計画通りに使用し生じた僅かな差額となった。翌年度も適切に使用したい。
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