2023 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における留学生のメンタルヘルスに影響を及ぼす要因についての研究
Project/Area Number |
20K14041
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
菱田 一仁 京都先端科学大学, 人文学部, 講師 (70817246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 留学生 / 精神健康 / 適応 / Push and Pull factors |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は留学生のメンタルヘルスに関する研究である。留学生のメンタルヘルスに関してというと、これまでの研究においては留学先での適応の問題や、そこで感じられる不安や鬱と言った精神健康上の問題、あるいはその支援についての研究が中心であった。一方で、実際に留学生の精神健康の支援を行うと、実際には留学に来る以前から精神健康の問題がある場合、さらにはそうした精神健康の問題が留学を志す理由の一つになっていることがあることが考えられた。 そこで、本研究においてはインタビュー調査を実施し、実際に留学生の考えを聞いた。その際には留学先での適応や不安などの問題に加えて、過去の精神健康に関する問題についての質問、さらにはそれらに関連した留学への動機に関しての質問を行った。 留学生はアジア系、欧米系などの出身者を対象にしたインタビューが行われ、その中では、多くの学生が留学先で何らかの精神健康の問題を感じたことが報告された。その多くは孤独などの問題で大きな問題ではなかったが、場合によってはカウンセリングに通うなどの専門家の援助が必要となるというものであった。 また、過去の精神健康の問題については、過半数の学生が何らかの精神健康の問題を経験していた。そして、その中には留学には全く関係のないものもあった一方で、自身のいた環境から離れたい、などの留学を志す理由と直結する問題もあった他、直接的な主要な理由ではないものの教育環境が不適切で辛かったなど留学に関係する問題なども報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は留学生のメンタルヘルスに関する研究であった。研究計画は新型コロナパンデミック以前であったが、新型コロナウイルスの流行によって留学生の行動がかなり制限されたために調査対象者のリクルートがうまくいかない、調査の実施がなかなか進まないなど計画が大幅に遅れざるを得なかった。 それでも一昨年度には留学生のメンタルヘルスに関して、インタビュー調査を実施した。インタビューデータは音声データであったが、昨年度にはその後の文字起こし、必要に応じた日本語と英語の翻訳作業、質的な分析などについてすべて完了した。その中では、これまで見落とされていた留学生の留学に関わるメンタルヘルスの問題について明らかになったと考えている。 2023年度には分析が終了した結果を論文としてまとめそれを国際誌に投稿する手続きを進めてきた。ただ、研究担当者自身が国際誌への投稿などに不慣れなこともあり初めに投稿した雑誌には内容的に合わないということも一つの理由として掲載がかなわなかった。そのために論文の論理展開などを変え、改めて雑誌を選択し直し投稿している。 そのため当初の予定よりも少し遅くはなっているが、国際誌に現在投稿しており査読の結果を待っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、現在国際誌に論文を投稿しており、その結果を待っている段階である。現時点では一つの成果として十分に価値を持っていると考えていることから、国際誌への掲載を一義的に考える予定である。特に査読の内容によっては修正などが必要となると考えられることから、査読の結果に応じて適切な修正を行うことを考えている。 また、雑誌の基準に満たないと判断される場合には、他の雑誌について検討する他、追加でデータを取る可能性を含めて検討する。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、昨年度に論文の作成、英文校正、論文投稿支援を利用して国際誌に掲載されることを予定して、雑誌掲載費が必要となるのでそのための予算を考えていた。しかし、実際には昨年度には国際誌への掲載がかなわなかったことから、その分の予算を使うことがなく、2024年度に繰り越している。2024年度に国際誌に掲載されることが決まった際にはそのための掲載料として使う予定にしている。
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