2020 Fiscal Year Research-status Report
障害学生及び生徒の就労移行支援に関するeラーニングトータルプラットフォームの開発
Project/Area Number |
20K14056
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Research Institution | Takamatsu University |
Principal Investigator |
山口 明日香 高松大学, 発達科学部, 准教授 (00633257)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Self-Dtermination / 自己決定力 / eラーニングプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、障害学生の学校から職業自立に向けた移行支援における諸問題を包括的に解決するための、障害学生の自己決定力向上及び保護者、教員、職リハ支援員の支援力向上を目指すためのeラーニングプログラムを開発し、連携基盤形成トータルプラットフォームとして運用する。これで、個人の学習速度に合わせて継続的かつ系統的学習を可能とする環境を構築することを目的としている。 令和2(2020)年度は,「移行支援プロセスと日本版自己決定力促進プログラム教材コンテンツの作成」を計画し、まず現在運用している学習コンテンツを集合型研修と組み合わせるための基礎学習ツールの整理を実施した。次に、障害学生が職業自立をするまでの様々な選択や支援機関からのサポートを包括的に理解できる移行支援プロセスやキャリア発達や職業観を醸成するキャリア形成学習を可能とする教材を作成に着手した。また自己決定力促進トレーニングの開発の基礎として、客観的尺度となるカンザス州立大学SDI(Self-Determination Inventory)尺度の日本版SDIとして、カンザス州立大学の指定する翻訳版作成プロセスに従い、尺度の妥当性を担保しながら、日本版を作成するための全国的な調査を実施した。また作成した日本版SDIをオンラインによるアセスメントツールとして運用するためのシステム開発に着手した。また日本版自己決定力促進ファシリテーター育成プログラムの基盤となる,カンザス州立大学の自己決定力尺度活用のための教員・支援者ガイドの日本語版を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の開始にあたり,新型コロナウィルスによる対応として,国内外の資料や情報収集等を目的とする出張等は困難となり研究遂行にあたり当初は大きな影響を与えたが,年度終盤にはオンライン会議システム等へ学会等も順次変更されるなど,代替的選択肢が増えてきたため,進捗の遅れが調整できたことによりおおむね順調に進展することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年(2021年)度の計画は「日本版自己決定力促進ファシリテーター育成プログラムの 開発、自己理解とキャリア形成に関する教材コンテンツの作成」を予定している。令和2年度で開発されたSD評価尺度を用いて、教員や支援者、保護者を自己決定力促進ファシリテーターとして育成するための日本版プログラムを開発する。その為に米国カンサス州立大学で実施しているプログラムの視察を基にしてプログラム開発を行うことを予定しているが,新型コロナウィルス対策等から渡航の困難があり、進捗に影響を与えることが予測されるため,令和4年度の計画を含め年次計画を見直すことも想定している。また障害学生当事者の自己理解とキャリア形成をねらいとする教材コンテンツを作成することを予定している。
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Causes of Carryover |
令和2年度は,当初予定していた米国へ海外渡航及び国内の情報収集及び研究発表に伴う旅費の支出が,オンライン会議へ変更なる等の代替的方法による研究遂行を余儀なくされた。その為,代替的方法によるオンライン会議等による作業遂行や情報収集を可能とする備品等の購入等が当初予定より多く発生した。次年度使用額については,コロナ禍の収束状況によって,可能な場合には旅費として使用を計画するが,困難な場合にはその代替的方法に伴う経費として使用する。
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