2021 Fiscal Year Research-status Report
コンサルティ中心モデル(CCC)による学校コンサルテーションの統合モデルの開発
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20K14061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
脇 貴典 筑波大学, ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター, 助教 (60865799)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンサルティ・センタード・コンサルテーション / コンサルテーションプロセス / コンサルティのレパートリー / 学校コンサルテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に、①コンサルティ・センタード・コンサルテーションに関連する概念整理、②学会誌における本研究内容の公表、③関連するセミナー・研究会等への参加を実施した。 ①コンサルティ・センタード・コンサルテーションモデルにおけるコンサルタント-コンサルティ間の関係性について検討した。また、コンサルテーション内における会話・相互作用のスキルとして、カウンセリング場面における関わりを参考に概念整理を実施した。 ②「発達障害研究」において、本研究に関する論文を公表した。昨年度収集した研究データをもとに、データ分析、論文執筆を行った。本研究では、コンサルテーションを受けたコンサルティ自身の変容過程(実践やクライアントへの支援の動機づけ等)について検討した。その際、コンサルティの変容に影響を及ぼしたと考えられるコンサルタントのかかわり・相互作用に焦点化して分析した。 コンサルティの変容に影響を及ぼしたと考えられるコンサルタントのスキルは、初回相談時と継続相談時で異なっていた。初回相談では、行動観察による情報収集、実態把握表の活用、見立ての共有、手立ての共有、対等な対話姿勢、コンサルティへの共感的反応等があげられた。継続相談では、見立ての修正やコンサルティの新たな取組への承認等、試行錯誤しながらの協働、クライアントの肯定的変化の共有などがあげられた。これらのスキルを備えたコンサルタントとの相談過程を通じて、コンサルティの変容、ならびに、支援レパートリーの拡大につながったと考えられた。 ③コンサルティ・センタード・コンサルテーションについて、関連するセミナー等に参加し、各領域の専門家・研究者とともにディスカッションを行い、助言を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度収集した研究データをまとめ、論文執筆を行い、学会誌に公表した。また、論文作成の過程で、本研究の新たな課題等が明らかとなり、次年度は新たに生じた課題について詳細な調査を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、コンサルテーションにおけるコンサルティの支援ニーズの変遷について調査を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響から、当初想定していた研究発表旅費と研究協力謝金の支払いが執行できなかった。 次年度は、新型コロナウイルスの状況と照らし合わせながら、想定していた研究旅費等の執行計画を修正する。また、現地調査が行えない場合も鑑みて、Web調査の実施と謝金支払いなど代替手段を検討する。
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