2020 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校女性教師の成長に関する基礎的研究―自立活動の専門性に着目して―
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20K14067
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
内海 友加利 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (00845232)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特別支援学校 / 女性教師 / 教師の成長 / 自立活動 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
特別支援教育の質の充実が今日的課題となる中、連続性のある多様な学びの場に位置づけられた特別支援学校の専門性が求められている。特に自立活動は、教育職員免許法上の位置づけが不明確であるなどから、現職段階における専門性の涵養が重要である。特別支援学校は女性教師の割合が高いが、その研究成果は脆弱である。特別支援学校の女性教師がどのような課題意識を有し、解決を図るのかを明らかにすることは、特別支援教育分野における教師教育研究の嚆矢となるものと考える。 本研究は、特別支援学校における女性教師の成長プロセスの特徴を明らかにする。小学校等からの異動や異なる障害種の学校への異動など、多様な教職キャリアが想定される特別支援学校教師の成長プロセスについて、理論的枠組みの整理及びライフキャリアの実態に基づき、女性特有の特徴を抽出する。教師の成長プロセスを捉えるにあたって、自立活動の指導における専門性に注目する。 当該年度においては、女性教師研究に関わる先行研究の検討を行い、理論的枠組みの整理を行うとともに、特別支援教育分野における当該研究課題の現状を明らかにした。分析の視点として①学校種の異なる女性教師の知見、②教職以外の女性専門職の知見、③海外の女性教師の知見を挙げ、小学校等他校種の女性教師に関する研究が積み上げられてきたこと、医療職など女性専門職に関する知見が得られていること、イギリスなど欧米諸国の知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画に示した文献の収集及び整理が実施できている。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究打ち合わせや質問紙調査の項目作成に係る予備的調査の実施に関して計画の変更が必要となった。今後は状況を鑑みて、研究の実施時期や実施方法を見直しながら取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
女性教師の成長に関する基礎資料として、ライフキャリアの実態を明らかにすることを目的とし、質問紙調査により特別支援学校教師の生活や専門性向上に対する態度を検討する。特別支援学校女性教師の特徴を析出し、専門性向上に向けた考究を行う予定である。新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえながら、質問項目の作成を行い、令和3年度中の実施を計画する。 また、収集した女性教師に関する資料について、日本特殊教育学会第59回大会への発表等を通して報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、新潟県上越市や長崎県で開催が予定されていた自立活動研究フォーラムの中止や参加取りやめ等により支出予定であった参加費等が執行できなかった。また、研究に係る打ち合わせをWEB会議システムや電子メール等を用いて行ったことから、旅費が未使用となった。 新型コロナウイルスの感染拡大の状況を見ながら、可能となった場合は旅費に充当する。また、文献的な検討も追加的に行っていくため、文献資料の購入や必要な消耗品等の購入に充当し、計画的に執行する。
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