「気になる」幼児の情動発達支援における巡回相談の効果

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K14068
• Research Institution: Ishinomaki Senshu University
• Principal Investigator: 平川 久美子 石巻専修大学, 人間学部, 准教授 (30711246)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 「気になる」子ども / 情動発達 / 巡回相談 / クラス集団

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、情動的側面に困難を抱える「気になる」子どもが在籍している保育所において専門家による巡回相談を実施し、「気になる」子どもの情動的側面の変化およびその変化のメカニズムを明らかにすることで、巡回相談の効果を明らかにすることを目的としている。
2020年度は１）「気になる」子どもの情動発達を把握するためのアセスメント方法を開発すること、２）保育者の関わりを把握するためのアセスメント方法を開発すること、３）それらのアセスメント方法を精査するために予備調査を実施することについて、研究を行った。
１）の「気になる」子どもの情動発達のアセスメント方法については、文献研究や学会における情報収集によって検討を行った。
２）の保育者の関わりのアセスメント方法についても、文献研究や学会における情報収集によって検討を行った。その中でも、クラス集団の状態や保育者のクラス集団に対する関わりを把握するための「クラス集団チェックリスト」の開発に向けて、保育者への質問紙調査を行った結果を論文にまとめる作業を行った。現在、投稿に向けた準備を進めている。
３）については、「気になる」子どもが在籍している保育所において、１）および２）のアセスメント方法を用いながら実際に巡回相談を実施し、アセスメント方法を精査する予定だったが、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で実施することが出来なかった。そのため、予備調査は2021年度に実施予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症の影響で予定していた保育所での予備調査が実施できなかったため。感染状況が落ち着いてから実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は保育所において予備調査を行い、「気になる」子どもの情動発達および保育者の関わりを把握するためのアセスメント方法を精査したい。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染状況によっては、2021年度も保育所における予備調査の実施が難しいことも予想される。その場合には、これまで巡回相談で用いてきたチェックリストや行動観察のデータを活用しながら、アセスメント方法の検討を行う。

Causes of Carryover

2020年度に予定していた保育所での予備調査が実施できなかったため、巡回相談に必要となる設備備品の購入を行わなかったため。また、国内外の学会もオンラインでの開催となったため、旅費が不要だったため。
2021年度は行動観察やカンファレンス、課題を実施する際に使用するビデオカメラ、モニター、プロジェクター、スクリーン、クリッカー等の設備備品の購入に充てる予定である。