2020 Fiscal Year Research-status Report
中学校・高等学校において体系的に実施可能なゲーム障害予防のためのカリキュラム開発
Project/Area Number |
20K14091
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鶴田 利郎 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (20735352)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ゲーム障害 / インターネット依存 / 中学校 / 高等学校 / カリキュラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,中学生・高校生の間でゲームやインターネットへの依存が深刻な社会問題となっている。そして,中学生・高校生への予防教育の必要性が広く指摘されているが,明確な教育方法は確立されていない。 そこで本研究は,中学生・高校生へのゲーム障害およびインターネット依存を予防するための効果的な教育方法,カリキュラムを検討し,教育実践を行う。その実践の成果と課題の分析を通して,中学校・高等学校において体系的に実施することができるゲーム障害・インターネット依存の予防教育のためのカリキュラムを開発し,提案することを目的とする。 当該年度は,高等学校において実施した「R-PDCAサイクルを活用した授業実践」および「情報科の授業の中で1年間にわたって継続的に行った実践」の成果と課題について,著書(分担執筆)に発表した。また中学校の特別活動において実施した「ゲーム障害・インターネット依存を題材とした実践」について学術論文に発表した。 上記の成果より,ゲーム障害・インターネット依存の予防教育においては「インターネット依存やゲーム障害を“自分にも起こりうる可能性がある”と実感できる学習活動」,「インターネットやゲームとの関わり方を定期的,継続的に考える(振り返り,見直していく)活動」,「様々な観点からインターネット(依存)やゲーム(障害)について考える活動」などが有効であることが示唆され,さらに「一時的な授業にすることなく,計画的・継続的な予防教育を展開していくこと」も重要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染症の影響により,特に2020年度の前半は中学校・高等学校において予定していた授業実践を行うことができなかった。しかしその間に,教育方法や教材,カリキュラムの検討を入念に行い,年度後半に入り授業実践を開始した。今年度は当初の予定に比べ縮小した形での実践となったが,研究協力校での授業実践の試行と評価,またそれを踏まえた次年度に向けてのカリキュラムの改善,再検討を行うことができたため,おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題の最終年度である。そこで,前年度に改善を加えたカリキュラムをもとに再度研究協力校において授業実践の試行と評価を行う。そして実践を行ったカリキュラムに関する効果測定を行い,総括的評価を行うことをここでの課題とする。そして,この総括的評価を踏まえてカリキュラムに改善を加え,本研究の成果として中学校・高等学校において体系的に実施可能なゲーム障害・インターネット依存の予防教育のためのカリキュラムを提案したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響により,研究協力校に授業実践の視察・データ収集等に関わる出張が不可能となったため。また参加予定をしていた学会や研究会もオンライン開催となり,交通費等の支出が不要となったため。 次年度は研究遂行に関わる消耗品・図書費(約15万円),データ収集や学会参加のための旅費(約10万円),論文投稿に関わる費用(約6万5千円)を予定している。
|