2022 Fiscal Year Research-status Report
学習者のコミュニケーション活動を取り入れた適応学習支援システムの提案
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20K14101
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
槇原 絵里奈 同志社大学, 理工学部, 助教 (90822875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 適応学習 / プログラミング行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は学期を通してプログラミング演習を実施できたため、演習の一部において、実際に学習者のプログラミング行動とコミュニケーション活動の関係性を調査した。本来プログラミング行動ではプログラミングのコーディング履歴やエラー状況なども取得する予定だったが、取得するためのツールの導入が困難であったため、成果物の成績や提出時間などと、コミュニケーション活動の関係性を調査した。調査の結果、コミュニケーション活動が変化した学習者の、成績や質疑の内容の変化について測定することができた。この結果は年度末の電子情報通信学会総合大会において報告を行った。 一方、課題として提示する問題が少なく、観測できた学習者間のコミュニケーションの情報が全体として不足していると感じた。今後はプログラミング行動収集ツールを導入するだけでなく、学習者間のコミュニケーションを促進する、あるいは個人で学習を進める学生のためのチャットボットの導入などが望まれると考える。 また、適応学習に向けたプログラミング環境の最適化・自動化として、オンラインジャッジシステムやKaggle、Scratchなど既存のプログラミングプラットフォームにおける学習者に適した問題の分析、提示手法について研究を進めることができた。分析手法に関しても自然言語処理や機械学習モデルの構築など複数の手法に対する知見を得ることができ、これらの研究手法や結果は、プログラミング演習における適応学習でも活用できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラミング行動の収集ツールの開発や、実際にプログラミング演習においてLiDARを導入し、学習者のコミュニケーション活動を測定することも実施できた。一方、LiDARを導入できた時期が後期後半であったため、まだ取得できたデータの時系列の分析には着手できていない。時系列分析に関しては今後の課題である。 また、システムの可搬性やセキュリティ性を考慮すると、既存のプログラミング環境を拡張する形でプログラミング行動を取得することも検討したが良いと考え、既存ツールの使用も検討している状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたとおり、既存のプログラミング環境を拡張しプログラミング行動を取得するためのプラグインを実装している途中である。また、取得できた学習者のコミュニケーション活動に関しても、今後時期列分析を進めていく。 また、今後より詳細な学習者のコミュニケーション活動の分析のために、TAと学習者の人流を分けるためのセンサの導入や、個人で学習を進める学習者に向けたチャットボットの導入なども検討している。
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Causes of Carryover |
参加予定だった学会がオンライン開催となったため差額が生じた。一方で演習がオンラインで実施されていた際に行った、オンラインジャッジやScratchなど、プログラミングコミュニティの分析において、学習者が最適な問題を選択するための研究で成果を得ることが出来、またこれらの結果は本研究にも応用できるものである。したがって、元々予定していた学会への論文投稿を目標にしつつ、プログラミング教育に関する学会にも論文投稿を検討する。
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