2022 Fiscal Year Research-status Report
教科教育の探究活動における主体的・対話的で深い学びを促すeポートフォリオの活用
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20K14104
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
時任 隼平 関西学院大学, 高等教育推進センター, 准教授 (20713134)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教科教育 / 探究活動 / 主体的・対話的で深い学び / eポートフォリオ / 観点別評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,2021年度に引き続き(1)教科教育の実践を取り巻く学校文化に関する研究及び(2)教科教育における観点別評価を行うための実践研究を行った.
(1)においては,2021年度に取り組んだ内容を引き続き行い,2022年度末には論文投稿できる段階に至った.途中経過報告として,日本教育工学会研究会にて「高等学校における研修成果の活用パターンに関する調査-英語科教育の事例」の主題で発表を行った.主には,授業実践そのものが教員個人の裁量によってある程度は行われつつも,学校制度文化や教員文化の影響を受けていることを指摘した.2022年度を通した研究によって,探究活動やポートフォリオの活用の在り方そのものが教科間や学校によっても異なる事が明らかになった. 本研究課題において基礎研究に該当する(1)の成果については,2023年度に日本教育工学会に論文投稿する予定である. (2)については,英語科教育および総合的な探究の時間における実践研究に取り組んだ.英語科教育においては,紙媒体のポートフォリオを活用したオンライン英会話を通した授業に着目し,ポートフォリオに搭載するためのワークシートの在り方を検討するための予備調査を行った.途中経過報告として,日本教育メディア学会第29回年次大会にて「オンライン英会話を通した学びの活用に関する事例研究」という主題で報告した.また,総合的な探究の時間においてポートフォリオに搭載するためのワークシートの在り方についても実践研究を行った.結果は,日本教育工学会2023年春季全国大会(第42回)にて「高等学校探究活動における観点別評価を意図したワークシートの試作」という主題で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は学校訪問が可能になり,調査自体は2021年度よりも捗ったものの,2020年度及び2021年度の遅れを取り戻す程には至ることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,教科におけるeポートフォリオの活用に関する実践研究に取り組む予定である.具体的には,高等学校における(1)英語科教育,(2)情報科教育,(3)総合的な探究の時間の3つを対象に調査を実施予定である. (1)においては,「英語コミュニケーション」および「論理表現」の授業を対象に,調査を進める事について研究協力校から承諾を得ている.そこでは,主に帯活動等の短時間の学習活動や単元学習など様々な単位の学習活動を対象にし,そこでの適切な学びの記録の仕方や評価の仕方について明らかにする予定である.また,(2)においては情報Ⅰの授業を対象とした実践研究を行い,情報で扱う概念に関する思考・判断・表現を促す問いかけ等について調査を実施する予定である.(3)においては,学習目標に応じた探究活動における振り返りワークシートの在り方等について,実践研究を行う予定である. 2023年度は,本研究課題の最終年度であるため,「どのような学習活動を行う際に」「どのような学習の記録・フィードバックを行う事が」「生徒にとってどのような学びに繋がるのか」の3点について,知見を明らかにする事を最終目標とする.また,2020年度~2022年度に取り組んできた学校文化に関する基礎的な研究においても,論文として学会誌に掲載される事を目標とする. 具体的には,日本教育工学会,日本教育メディア学会,日本質的心理学会の全国大会や研究会で研究成果を報告し,また学会誌への投稿を検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため,実践研究の取り組みと学会発表を行うことができなかった.2023年度は,実践研究の実施とその成果を学会で報告する.既に2023年度の実践研究について,多くの公立・私立の学校の承諾を得ることができており,2022年度までの成果を無理にまとめるのではなく,2023年度の成果を踏まえて本研究課題の最終成果としてまとめる事の方が,知見の深まりが生まれると判断した.
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Research Products
(3 results)