2021 Fiscal Year Research-status Report
科学技術(MR)と防災教育のフュージョンで実現化する体験型防災訓練システムの開発
Project/Area Number |
20K14108
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
大和 裕也 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (70831220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 可視化ツール / 防災教育 / 体験型防災訓練 / グループディスカッション |
Outline of Annual Research Achievements |
MRは最先端の科学技術であり,建物を3Dモデルで作成するため状況変更が容易で,画面に触らずに操作できるジェスチャー操作による体験型の防災訓練が可能である.MRを活用することで防災訓練を行う際の準備の負担を大幅に軽減することが可能であり,児童の学習意欲も高いと考えられる.本研究では,児童に対するMRの防災教育への有効性を明らかにするため,①MRを用いたグループ学習の効果を検証.②MRを用いた消火訓練の効果を検証.③自主学習の促進を図るための教材の提供,の3つを目的としている.2020年度は,児童に対して行う防災訓練のための3Dモデル作成,MRの開発,福井高専の学生を対象とした予備実験までを行っている.2021年度は児童を対象として体験型防災訓練の有効性を検討する予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大により実施することができなかったため、福井高専の学生を対象として2020年度より多い人数で実験を行うことにより,防災訓練システムの精度を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進捗状況として,「やや遅れている」と考える.その理由として,研究の目的に対して,新型コロナウイルス感染拡大の影響により体験型防災訓練システムの実施検証ができていないためである. 【研究の目的】 国は新時代の学びを支えるための科学技術を用いた教育方針を示している.その中で,本研究は,児童に対するMRの防災教育への有効性を明らかにするため,科学技術(MR)と防災教育のフュージョン(融合)で実現化する体験型防災訓練システムの開発を目的として,以下の3つを検証する.①MRを用いグループで話し合いながら避難路や煙からの回避方法など火災時における避難行動を検討させ,グループ学習の効果を検証する.②MRを用いジェスチャー操作による消火訓練を体験させ,訓練の効果を検証する.③自主学習の促進を図るため,自主学習が可能な環境を提供し,促進効果を検証する. 【2021年度の進捗状況】 体験型防災訓練を行うためのシミュレータやアンケート調査票は作成できている.2021年度中に何度か小学校での実施を試みたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期となり実施できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り,研究を遂行する.2022年度中に小学校での体験型防災訓練システムの実施検証を行い,グループ学習の効果を検証,能動的な学習の効果を検討する.シミュレータの有効性を評価するためのアンケート調査の内容は,グループ学習,防災への興味に関する質問を行い,分析方法は評点式によるSD法を考えている.また,各グループで考えた避難路や消火訓練の動画データを各家庭に提供し,自主学習の促進効果を検証するため自分たちで考えた避難路を再度確認したか,家族と防災訓練に関する話題を話したかを調査する.併せて,避難行動シミュレータのシミュレータの精度向上に努める.
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Causes of Carryover |
申請していた助成金(日本財団研究助成金、北陸地域づくり協会助成金)に採択されたことにより,デスクトップパソコンの購入が不要になった.新型コロナウイルスの影響により調査が実施できなったため旅費が不要になったことに併せて,小学校での実施検証が困難であったため,論文の執筆ができておらず学会への投稿費用が不要になったため.
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