2020 Fiscal Year Research-status Report
シチズンサイエンスと市民科学の分析および統合に向けた理論枠組みの構築
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20K14114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一方井 祐子 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (00709214)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クラウドサイエンス / 市民科学 / シチズンサイエンス / オープンサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外においてcitizen scienceが広がりを見せている。citizen scienceとは、科学者等の専門家と市民(非専門家)が協働して行う市民参加型の研究プロジェクトとされる。特に欧米で大きな盛り上がりを見せており、ガイドラインの整備等も進められている。日本でも生態学や天文・気象学等のプロジェクトが成果を出し始め、様々な分野や規模で展開されつつある。したがって、日本におけるcitizen science実施のためのガイドラインの整備や、倫理的諸問題等に関する議論についても早期に始める必要がある。一方で、欧米と日本ではcitizen scienceに対する意識や、その枠組みが異なる可能性がある。本課題は、特に国内においてみられるcitizen scienceの市民科学的側面(主に市民が主導し社会課題解決を目的とするもの)と、シチズンサイエンス的側面(主に科学者が主導し科学研究を目的とするもの)を整理・分析し、両者の統合に向けた理論枠組みを構築することを目的とする。初年度は、文献調査・ウェブ調査により、(1)国外のシチズンサイエンスのガイドラインの収集・分析、(2)国内外の市民科学およびシチズンサイエンスのプロジェクト事例の収集・分析、(3)事前に選定した国内プロジェクトについての主催者へのインタビューおよび参与観察を実施した。この他、オープンサイエンス・ミートアップと連携し、シチズンサイエンスの関係者を招いたオンラインの勉強会やワークショップを開催し、情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
市民科学/シチズンサイエンスの主催者に対する対面インタビュー調査とフィールドワーク調査を予定していたが、コロナ禍により一時延期・中止とした。その後、オンラインのインタビューの実施に変更したが、未実施分があるため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
国内の市民科学/シチズンサイエンスのプロジェクト主催者に対するインタビュー調査および参与観察を継続して実施する。また、収集した資料・データをもとに、欧米のCitizen scienceにおけるparticipatory citizen science/democratized citizen scienceと、国内のシチズンサイエンス/市民科学に着目した分析を始める。
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Causes of Carryover |
初年度にオンライン調査実施にかかる費用を予定していたが、コロナ禍による状況を鑑みて実施時期を延長していた。次年度に初年度の分をあわせてオンライン調査を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)