2020 Fiscal Year Research-status Report
A Theoretical and Practical Study on Practices to Promote Scientific High-Order Thinking in Schools Using STEM Education
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20K14121
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
山岡 武邦 東海学園大学, 教育学部, 准教授 (00844565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | STEM教育 / 科学的高次思考 / プラクティス / 新たな疑問 / 深い学び / 教師の発問 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,国内外における先進的STEM教育実践校の中で実践されている教師の発問の特徴について明らかにするものである。そのために,「教師による効果的で質の高い発問は,どのような教授方略のもとで成立するのか。また,生徒の思考活動にどのような影響を与えるのか。」,「認知的葛藤を生起させ,高次思考を促すような優れた実践の中で活用されている教授方略はどのようなものがあるのか。また,それは類型化できるのか。」,「生徒による質の高い質問を,次の学習につなげる教授方略はどのようなものがあるのか。また,それは類型化できるのか。」という3つの問いと,それに関連する課題の解明を通して,科学的高次思考を促すプラクティスを解明し,その調査結果を踏まえ,日本の教育事情に即したSTEM教育を提案するとともに,指導法への示唆を導出することを研究目的とする。 2020年度は,諸外国における発問に関する理論研究及び,国内研究者へのインタビュー調査,及びアンケート調査を行い,STEM教育実践者による発問の特徴について探究した。その結果,以下の2つの特徴が明らかとなった。日本におけるSTEM教育実践者による発問の特徴は,(1)次の学習につなげるために,生徒主体の活動を基本としながら,適切なタイミングで教師が助言をしていること。(2)実際に実験を行い,プラクティスとコンテンツの両輪をなすイメージで,再度,実験計画のデザインを見直すという試みの繰り返しによるビルドアップ型の実践を行っていること。特に,プラクティスとコンテンツをつなげる発問が重要であると考えていること。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,インタビュー調査をベースにした研究を進めることを想定していたが,コロナ禍の影響を受け,直接訪問によるインタビュー調査が困難な状況にあった。そこで,可能な限り当初の研究計画に近い形で,研究を遂行することを考えた結果,アンケート調査を実施するためのホームページを作成し,教師による質の高い発問とは何かについて探究することにした。ホームページの活用によって,2020年度は研究計画に基づいた研究が順調に進められており,おおむね予定通りに進展していると考えられる。 本研究で得られた知見の一部は,国内の雑誌や,勤務先紀要に掲載されており,本研究に関わる課題や成果は国内外の学会発表において発表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い,諸外国における発問に関する理論研究及び,国内外研究者へのインタビュー調査,及びアンケート調査を行い,教師による質の高い発問とは何かについて引き続き探究していく。特に,2021年度は,国外研究者へのインタビュー調査,及びアンケート調査を行うことで,分析対象を広げるとともに,分析をより精緻しながら,先進的STEM教育実践校の実践の中で行われている教師の発問の在り方等について詳細に検討を行っていきたい。また,得られた研究成果は,2020年度同様,国内外の学術界や科学技術・社会に向け,積極的に広く発信していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた大きな理由は,国内外への学会参加旅費である。コロナ禍の影響を受け,予定していた国内外の学会は,一部中止となったものもあったが,ほぼオンラインでの開催となったため,旅費としての使用額は生じていない。使用計画については,当初の計画どおり,国内外への学会参加旅費,国内外へのインタビュー調査旅費,国際学会発表原稿翻訳費,学会参加費,論文別刷り代,として使用していきたいと考えている。
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Research Products
(15 results)