2020 Fiscal Year Research-status Report
Innovating group-dialogue methods for cultivating engineers' citizenship-mind in the age of trans-science
Project/Area Number |
20K14125
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
小川 泰治 宇部工業高等専門学校, 一般科, 講師 (40824975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 技術者倫理教育 / 哲学対話 / 市民性教育 / ファシリテーション / オンライン授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は主に以下の3点である。①学生ファシリテーターのスキル育成のためのカリキュラム開発。②対話を可視化し、グループでの対話を促進するワークシート教材の開発。③市民的知性育成のための哲学対話を応用したグループ対話型授業の開発。 2020年度はこのうち主に①と②について重点的に取り組んだ。なお、コロナ禍の影響を受け、勤務校においても長期間にわたってオンライン授業が実施された。そのため、対面での哲学対話の実践は当初想定していた回数の確保が困難となったが、切り替えが可能なものについてはZoomなどを用いたオンライン哲学対話へと切り替え、可能な限り研究を遂行した。 ①においては、勤務校のプロジェクト学習においてオンライン哲学対話の方法開発をテーマとするプロジェクトを実施し、学生ファシリテーターの育成を行うとともにオンライン哲学カフェを開催した。この実践の詳細については専門学会誌の研究報告に掲載予定である。 ②については研究協力者とともにオンラインでのミーティングを重ね、これまでに行ってきた授業実践をもとに共著論文を執筆し、専門学会誌に掲載された。さらに、新しい技術者教育にふさわしいテーマの精選や理解のための研究会を立ち上げ、AI倫理などを専門とする研究者をゲストに招き、オンラインでの研究会を開催した。 また、これまでの哲学対話の実践と研究をもとに書籍2冊の分担執筆を担当した。 以上のように本年度はコロナ禍の影響を受けたことで結果的にオンラインでの研究交流や新たなオンライン哲学対話の手法開発を行うことができたと言える。次年度以降はこういった知見をもとにグループ対話型授業の開発に着手したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍の影響を受け勤務校でもほとんどの授業がオンライン実施となった。そのための業務対応に予想外の時間を割かれたこと、予定していた対面での哲学対話が実施できなかったこと、研究出張ができず他校での実践との比較検討が進まなかった。また、研究代表者が2020年度後半に育児休業および育児のための短時間勤務を実施したため、その間は研究を十分に進展させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の前期は引き続き育児休業を取得する予定であり、そのために研究終了年度の延長を予定している。2021年度の後半に業務に復帰して以降は、オンラインでの研究会の開発に力を入れたうえで、オンラインでの実践および対面での実践のメリット、デメリットを踏まえ、グループ対話型の開発に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
現在までの達成度において示したように、コロナ禍により予定していた研究出張や研究会の開催が実施できなかったため。および、研究代表者の育児休業および短時間勤務実施のため文研研究にも遅れが生じたため。
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