2021 Fiscal Year Research-status Report
注視行動を利用する没入型運転者リスク知覚教育システムの開発
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20K14127
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
張 興国 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60780492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運転教育 / 仮想現実 / 事故防止 / 視線行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に開発したシステムは交通事故を未然に防ぐために、視線行動分析技術を利用し、運転者の安全意識を効率的に訓練するものである。2021年度では、アイトラッカーとドライビングシミュレータを用いて、注視行動の計測・分析を行った。開発した運転者教育システムを用い、市街地を模したコースで2つの対象交差点での右折の際の注視行動と反応時間の分析を行った。17人の被験者に対向車や自転車等、周辺環境を変更したコースを、計4回運転していただいた。 今回アイトラッカーとしてトビー・テクノロジー製の TobiiProGlasses2を使用した。メガネ型のアイトラッカーで ヘッドユニット とレコーディングユニットで構成されている。角膜反射法 PCCR法を用いて視線データの取得を行う。 提案した定量化・可視化手法を用いて実験データの分析を行った。分析の指標として定量化では視線移動回数、移動範囲、反応時間などを用いた。可視化では注視時間や視線移動幅をヒストグラムやヒートマップを用いて行った。これらの計測を、走行環境、時間帯、気象条件の異なる条件の映像に対し実施した。計測結果をもとに、各条件における平均反応時間について傾向を分析した。ドライバーが周囲の状況に気を配れているか、安全確認を正しく行っているかなども実験結果として被験者に提示する。その結果、ドライバーごとの注視行動特性を定量的に比較することができ、交通参加者や道路形状等周辺環境によって変化することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、視線計測および分析するシステムの開発は当初の計画通りに進展している。来年度は訓練効果を確認する為に検証実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、運転者の危険場面に対する認知傾向の計測および認知特性の向上への訓練効果の検証、および、より効果的な訓練方法についての検討を行う。 検証実験の計測内容は平均反応時間とし、同じ映像シナリオに対して複数回計測を繰り返した後、さらに提示される異なる映像シナリオに対しても同様に実施する。計測結果を最初の計測結果と比較し、平均反応時間に有意差が見られるかを検証する。なお、被験者毎の差異および若年層と高齢層での傾向の違いについても明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で、参加予定する学会が来年度開催になるため、旅費などの経費が次年度使用する予定になる。
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