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2020 Fiscal Year Research-status Report

Applicating the PEERS School-Based in Japan : Examining Effects on Social Skills, Self-Understandings and School Lives in Adolescents with Autism Spectrum Disorders

Research Project

Project/Area Number 20K14128
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

田中 早苗  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsUCLA PEERS / 友人関係 / 学校 / 自己理解
Outline of Annual Research Achievements

思春期に1人または2人の親しい友人がいることは、その後の人生において自己の調整や対人的な能力の発達を予測し、様々なストレスの影響を緩和することができる。またそれは自己肯定感や自立と正の相関があることが指摘されている。近年の調査では、思春期の子どもたちは、友達作りや友達関係に関することで悩んでいる人が全体の約3分の1いると言われている。対人関係や社会的関わりに悩みを持つ子どもや青年は一般的に、仲間との社会的関係を築くことに関心を持ってはいるものの、そのためのスキルが不足していることが指摘されている。思春期の自閉スペクトラム症の児童生徒を対象に開発されたPEERSプログラム思春期版は、友だちを作り良好な関係を維持することに関連するスキルに焦点を当てており、欧米やアジア、日本も含め世界各国でその有効性が認められている。本研究では、PEERSプログラム学校版を学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と共に検証する。またこれらと児童生徒の自己理解や自己肯定感、適応状況等との関連を調べ、学校教育現場におけるソーシャルスキルトレーニングを用いた教育と科学の連携体制の構築を目指す。初年度となる2020年度は準備期間として、実施マニュアルの翻訳を進め、また日本の学校に実践しやすい形式について研究協力者と協議を行った。プログラム実施者へは、認定資格取得のためのセミナーへの参加を奨励し、また研修会等を開催し、プログラムの内容について周知した。2021、2022年度の学校での実施に向けて、自治体の協力のもと実施者や参加者を募り、30余名の教職員及び教育専門機関等関係者と共に準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度は、PEERSプログラム学校版実施の準備期間として、実施自治体との共同でPEERSプログラム思春期版を実施し次年度以降の実施者を育成予定であったが、コロナ禍の中プログラム実施を一部中止とした。これ以外に予定していた研修会は感染拡大予防策を行った上で実施され、また研究協力者が開催する認定資格取得のためのセミナーへ参加を奨励し、これらに参加した何名かが2021年度以降のプログラム実施に参加予定である。また、前年度までに実施したプログラム参加者から得られた各種質問紙や記録、インタビューの結果を分析し、友達づくりに関する知識、社会的コミュニケーションや社会的認知などのスコアが向上したこと、自己理解が促進された様子等が伺えた。これらについて、2020年度にWeb開催された第46回日本コミュニケーション障害学会において報告した。加えてオンラインジャーナル『子どものこころと脳と発達』において、プログラムの実施方法や参加者が何を学ぶか等について詳説し、周知のための資料のひとつとした。
このほか、2021、2022年度の学校でのプログラム実施に向けて、マニュアルの日本語訳を進め、また日本の学校での実施が可能となるようなスケジュール構成について研究協力者及びプログラム開発者と協議し、全16セッションのプログラムは2週で1セッションを実施する全32セッションとした。また、学校教育機関等の協力の元、プログラム実施者及び参加者を募集し、今後2年間で小学校9校、中学校3校において40余名の参加者にプログラム及び調査を実施予定である。

Strategy for Future Research Activity

次年度以降の2年間において、PEERSプログラム学校版を実施し、2021年度実施グループと2022年度実施グループについて、それぞれ研究参加に同意を得られた児童生徒とその保護者、担当教員に対して、質問紙及びインタビュー調査を行う。調査には、友達作りの知識や実際の友達関係に関する質問紙、社会適応や対人関係に関する質問紙、自己理解や自己肯定感に関する質問紙とインタビューを実施する。介入前後の質問紙のスコアを比較し、自己理解や自己肯定感との関係を含め、PEERSの有効性を統計学的に検定する。また事後調査により、持続効果を確認する。さらにこれらの成果について論文化及び学会発表を行う。
またこれらの結果から、学校教育現場において科学的根拠のあるソーシャルスキルトレーニングを継続して実施できるシステムの構築を、研究協力者や協力関係にある自治体とともに検討する。

Causes of Carryover

当該年度に実施予定であったプログラムの一部がコロナ禍の影響により実施できず、実施にかかる経費や謝礼等の支払いは翌年度以降へ繰り越しした。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 友だち作りの科学 「PEERSプログラム」の実践2020

    • Author(s)
      田中 早苗, 山田 智子
    • Journal Title

      子どものこころと脳と発達

      Volume: 11 Pages: 62-70

    • DOI

      10.34572/jcbd.11.1_62

    • Open Access
  • [Presentation] PEERSプログラムにおける思春期のASD児童生徒の自己理解2020

    • Author(s)
      田中 早苗、山田 智子
    • Organizer
      日本コミュニケーション障害学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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