2022 Fiscal Year Research-status Report
Applicating the PEERS School-Based in Japan : Examining Effects on Social Skills, Self-Understandings and School Lives in Adolescents with Autism Spectrum Disorders
Project/Area Number |
20K14128
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 協力研究員 (80811372)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | UCLA PEERS / 友人関係 / 学校 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、PEERSプログラム学校版を学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と合わせて検証する。2022年度は2021年度に引き続き、研究協力体制にある自治体において研究参加に同意を得られた研究参加者27名の児童生徒に、PEERSプログラム学校版の16セッションを実施し、事後評価を行なった。また、2021年度にプログラムに参加した児童生徒とその保護者へのフォローアップとして適応行動や認知特性等の評価および質問紙、インタビューを実施した。今後、2023年度には、2022年度に参加した27名のフォローアップ評価を行い、効果の持続について検証する。 プログラムに参加した40名の介入前後の評価項目のスコアを比較したところ、社会的認知や動機づけ、コミュニケーション、友達作りに関するソーシャルスキル知識が向上し、ASDの行動様式が緩和された。本研究の中間発表を2022年10月の日本LD学会シンポジウムにて行っており、また2023年度に開催される国内外の学術集会にて発表予定である。 児童生徒の学校での様子の観察や保護者、担任からの報告により、実際の場面で友達との関わりの様子に改善が見られている。日本の学校で本プログラムを適切に実施するための環境設定や教示の工夫についても確認された。今後、フォローアップ時の効果の持続や自己理解の様子の変容の有無も含め、本プログラムの日本における有効性を分析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入2年目のプログラム実施およびデータ収集は予定通り行われている。また介入1年目の参加者に対するフォローアップ評価も実施した。評価項目のスコアの分析を進めており、また、得られたインタビューデータの文字起こしを行った。プログラムはほとんどの学校で教職員との協働で進められたが、1年目に教職員の参加が見学のみにとどまった学校は、2年目も同様となった。それでもより多くの教職員が見学参加し、関心の高まりや情報共有などの交流も見られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、2022年度のプログラム参加者のフォローアップ評価を実施する。適応行動尺度や質問紙の介入前後のスコアや自己理解インタビューの回答を比較し、日本の小中学校におけるPEERSプログラム学校版の有効性を検証する。さらにこれらの成果について論文化及び学会発表を行う。
|
Causes of Carryover |
プログラム参加者のフォローアップ評価やデータの分析を行う必要があること、学会発表の予定があることから次年度にも予算が必要である
|