2020 Fiscal Year Research-status Report
サイコパシーの関係継続行動における判断基準の心理・神経メカニズムの解明
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20K14135
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
仁科 国之 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 助教(PD) (70843233)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイコパシー / 利他行動 / SVO / 協力行動 / 年齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サイコパシーが短期的な利益から長期的な利益へと行動を変化させる判断基準が互恵性の期待によるものかどうかを明らかにし、サイコパシー傾向の高い人は互恵性高条件の方が低条件よりも背外側前頭前皮質の活動が高くなるかどうか、関係継続行動と背外側前頭前皮質の活動が関連するかどうか、およびサイコパシー傾向と関係継続行動の関連が背外側前頭前皮質によって媒介されるどうかを明らかにすることを目的とする。サイコパシーは、自己中心性や合理性の高さ、共感性の欠如、極端な冷酷さといった複数の特徴をもっており、対人関係では短期的な自己利益最大化を目指した行動を行うと考えられている。そのため、サイコパシー傾向の高い人は他者に対して利他的に振る舞うことはないと考えられていた。本年度は、オンライン調査による実験を行い先行研究(Osumi & Ohira., 2017)と同様の結果が再現できるかどうか、およびサイコパシー傾向の高い人が見知らぬ他者に対する利他行動をするかどうかを検討した。実験の結果、先行研究のサイコパシー傾向が高くとも友人には利他行動を行うという結果が再現された。さらに、サイコパシー傾向が高い人であっても、SVOでpro-socialな選好をもっていいれば、見知らぬ他者に利他行動を行うことを明らかにした。ただし、このような傾向は年齢の若い群にのみみられ、年齢が高い群ではみられなかった。この実験結果は、英語での論文化を行い、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響があったが、本年度は計画通りオンライン調査によるシナリオ実験を行うことが出来、論文化まで行えたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実験室実験を行う予定ではあるが、新型コロナウイルスの影響により実験室実験を行うことができない可能性が考えられるため、状況に応じて実験室実験ではなく、オンライン調査を可能な限り実験室実験の環境に近づけて行う可能性がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により予定していが学会参加がオンライン、もしくは延期になったため、予定よりも支出が減った。また、購入を予定していた物品が生産終了となり購入ができなかったため、現在同等の物品を探している。
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Research Products
(1 results)