2022 Fiscal Year Research-status Report
サイコパシーの関係継続行動における判断基準の心理・神経メカニズムの解明
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20K14135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁科 国之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (70843233)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイコパシー / 協力行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サイコパシーが短期的な利益から長期的な利益へと行動を変化させる基準を明らかにすることを目的とする。前年度は、実在集団を用いてサイコパシーが互恵性の期待を操作によって協力行動が異なるかどうかを検討し、サイコパシー傾向の高い人は自分と相手が同じ集団に所属していると協力し、相手が協力すると予測していた。しかし、実在集団をもちいることは、さまざまな混交要因が存在しているため、純粋に互恵性の期待を操作したとはいえない。 そこで本年度は、最小条件集団を用いて前年度と同様にサイコパシーの協力行動が互恵性の期待によって引き起こされるかどうかを検討した。参加者は絵画選択課題によって、自分と同じ絵画が好みの集団と異なる絵画が好みの集団の2集団に分けられた。互恵性の期待に関しては、互いに所属集団がわかる条件(相互条件)、参加者のみがわかる条件(一方条件)、お互いに所属集団がわからない(統制条件)によって行った。その結果、サイコパシー傾向に関わらず、互恵性が期待できる状況(相互条件)では、できない状況よりも同じ絵画好みの相手(内集団)に対して協力的に振る舞い、相手も自分に対して協力的に振る舞うと期待していた。この結果は、前年度とおおむね同一の結果である。したがって、サイコパシーは互恵性の期待があると内集団に協力するが、そうでない場合は協力せず、外集団に対してはそもそも協力しないという戦略によって、相手に協力するかどうかを判断していることを示している。本年度の研究結果は、日本社会心理学会第63回においてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サイコパシーが互恵性の期待に基づいて協力行動を行っているということを最小条件集団でも確認ができ、前年度の知見の頑健さを確かめることができた。来年度は実験室実験でもう一度確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は実験室実験により、前年度の知見が再現されるかどうかを検討し、論文の執筆を行う。
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Causes of Carryover |
実験準備と実施が遅れたため、一年の延長を行う。実験参加者金、論文出版料、英文校正費、学会参加費に充当する。
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Research Products
(2 results)