2020 Fiscal Year Research-status Report
心的状態帰属の潜在的・顕在的プロセスと発達モデルの構築
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20K14155
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
古見 文一 静岡大学, 教育学部, 講師 (70771848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心の理解 / 発達 / エージェンシー / VR / ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,人が様々な対象に心を感じるようになる発達プロセスを明らかにすることである。 2020年度は,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,成人および子どもを対象とする研究を開始することができなかった。また,都道府県をまたいだ移動が制限されたため,国内の連携協力機関を訪問することができず,実験プログラムの作成も行うことができなかった。そのため,本研究の着想のきっかけとなった英国ユニヴァーシティカレッジロンドンのDr. Antonia Hamiltonのグループと共同で行った研究であるヴァーチャルリアリティ空間に存在するアヴァターの心の読み取りに関する研究論文を,共同第一著者として発表した (Ye, Furumi, da Silva, & Hamilton, 2020)。 この研究では,成人期の参加者を対象としてヴァーチャルリアリティ機器を用いて,ヴァーチャルリアリティ空間を作成し,そこに存在する人型で自然に動くアヴァターや機械的に動くロボットに対して,参加者がどれくらい正確に心を読み取るかを調べた研究であった。その際に,サブデータとして収集していたヴァーチャルリアリティ空間内の人やロボットに対して,どれくらい動きが正確であると感じるか,どれくらい相手に心を感じるか,どれくらい相手の心を読みたいと思ったか,どれくらい相手に親しみを感じるか,どれくらい相手をリアルに感じたかという質問紙の結果の分析を行った。その結果をもとに,本研究の実験計画を修正する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により,対面での実験の実施が困難であったため。また,都道府県をまたぐ移動が制限されたために,国内の連携協力機関においての実験プログラム作成が行えなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響がまだ完全に収まっていないため、特に成人を対象とした心的状態帰属に関する予備調査に関してはオンライン等で調査が可能な方法への修正方法などを模索する。また,実験プログラム作成のための他機関の研究者とのミーティングもオンラインで行うように進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって,調査の準備,実施ができなかったため,物品費,調査補助者への謝金の支出が生じなかった。また,学会・研究会は全てオンラインで参加・発表し,研究ミーティングもオンラインで実施したため,旅費の支出が生じなかった。繰越分については,次年度に調査を実施する際に,調査補助者への謝金,および物品費として使用する予定である。
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