2021 Fiscal Year Research-status Report
心的状態帰属の潜在的・顕在的プロセスと発達モデルの構築
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20K14155
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
古見 文一 静岡大学, 教育学部, 講師 (70771848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心の理解 / 発達 / エージェンシー / ロボット / 表情認知 / マスク / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,人が様々な対象に心を感じるようになる発達プロセスを明らかにすることである。 2021年度は,国内の連携協力機関を訪問し,2種類のロボットを用いた実験刺激を作成し,オンラインでの質問紙調査を,成人を対象として行うことができた。その結果,仮説の通り,ロボットの種類によって,対象に感じる心が異なっており,また,そのロボットがどのように動くかによっても,対象に感じる心的状態は異なることが明らかとなった。この結果は,2022年度の学会にて発表予定である。また,2022年度には,この結果をもととした幼児や乳児を対象とした実験を行い,発達データを明らかにして,論文を執筆する予定である。 さらに,追加の研究として,幼児が,顔にマスクやサングラスなどを着用した相手の表情をどの程度読み取れるのかについても,実験を行った。その結果,マスクやサングラスを着用している相手の表情は,何も着用していない相手の表情の読み取りよりも困難であることがわかった。この研究の結果については,2022年度の学会にて発表予定であり,また,国際誌に論文を投稿している。2022年度には,さらにマスクの種類等を増やし,マスクの種類が表情の読み取りに及ぼす影響を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロボットを用いた実験に関しては,昨年度中に子どものデータを収集する予定であったが,緊急事態宣言の発出等により,少し実験の刺激作成等のスケジュールが遅れたために,成人のデータのみしか収集できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究計画の流れに沿って,幼児や乳児を対象とした調査を行う予定である。幼児を対象とした調査に関しては,幼児でも回答可能なアンケートを作成し,オンライン調査を行う予定である。乳児を対象とした調査では,Senju et al. (2009) を参考に,刺激を作成し,ロボットを用いた実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度前期は,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,子ども対象の調査が中止となったため,調査補助者への謝金の支出が生じなかった。また,学会・研究会は全てオンラインで参加,発表を行ったため,旅費の支出も予定よりも少なかった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,計画に若干の遅れが生じているため,次年度使用額が生じているが,研究計画に沿って,次年度に繰越分を使用する予定である。
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