2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of a process that integrates verbal and visual information in problem-solving.
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20K14160
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
森 兼隆 大阪教育大学, 教育学部, 助教 (70837202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 算数文章題 / 統合過程 / エピソードバッファ / 作動記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、図を伴う算数文章題解決を用いて言語的情報と視空的情報の統合過程の認知メカニズムを明らかにすることを目的としている。そのために、参加者に対して図を伴う算数文章題の解決を求め、問題解決時に必要とされた時間を測定する実験を行うことを計画している。また、作動記憶課題、特にエピソードバッファに関する課題成績と問題解決時間との関連を検討する。 実験では、実験刺激を作成するためのソフトウェアや刺激を提示・反応の測定を行う装置などが必要となるため、実験実施に必要な環境の整備を予定していた。 本年度は,まず研究環境および実験環境の構築を進めた。具体的には,日本語で言語的情報と視空間的情報の両方の保持を求める課題の作成を行った。言語的情報と視空間的情報についての複合的な情報を扱う能力を測定するために,言語的情報と視覚的情報の両方を保持することを要求する課題成績を指標とする。言語的情報と視空間的情報の保持および,その両方の保持を求める課題 (Wang et al., 2015) を作成するために,Psychopy および Pythonを用いて実験プログラムの作成を行った。また,図を伴う算数文章題課題についても同様の環境で実施できるように作成した。 次年度には図を伴う算数文章題解決過程における注視パターンの測定を行う実験の実施を計画している。本年度には,その実験を行うための準備として注視パターンの測定をおこなうためのアイトラッカー (Tobii Pro nano) を購入し,アイトラッカーを利用した実験環境の構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたように,実験環境と実験プログラムの整備を行い,図を伴う算数文章題課題における問題解決時間の測定と,言語的情報と視覚的情報の両方を保持する課題の実施について進んでいる。しかしながら,新型コロナウイルス感染拡大の中,実験への参加者を募り,実験を行うことができておらず,データの取得が進んでいないのが現状である。そのため,進展はあるものの,当初の計画の通り進んでいるとは言えず,やや遅れている状況だと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
図を伴う算数文章題解決過程における問題解決時間と,言語的情報および視覚的情報を統合して保持する能力との関連について検討を行うために,当該年度に実施することができなかった実験参加者による実験の実施を進める。また,アイトラッカーを用いた実験を実施することで,図を伴う算数文章題解決中の注視パターンを測定し,言語的情報および視覚的情報を統合して保持する能力と,問題解決における言語情報と視覚情報の統合について検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大において,実験参加者を募集し,実験実施することが困難であったため謝金を次年度以降の実験実施のために使用することが次年度使用額が生じた理由である。次年度以降の実験実施時に謝金として利用することを計画している。
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