2020 Fiscal Year Research-status Report
The Changing Process of Child Implications and Adaptation to Parents' Expectations: An International Comparative Study Using Mixed Research Methods
Project/Area Number |
20K14163
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
春日 秀朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70760239)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 親からの期待 / 親子関係 / 家族心理学 / 青年心理学 / 医学部生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、青年に広く共通する経験とともに、医学部生に特有の経験を抽出し、比較検討することで、学生教育および援助に効果的な知見を獲得することを目的として研究を行った。親の期待は生き方や進学、就職といった進路、親の望むふるまいなどの領域にわたるが、特に学力や進路に関する期待が問題として取り上げられることが多い。特に子どもが親から医学部に進学することを期待されたとき、高い学力が求められ、将来の職業も指定されることから、職業との関連の薄い学部に進学する青年とは異なる特徴を持つことが考えられる。医学部生からこれまでの人生で経験したことを語ってもらうことで、彼らがどのような経験をし、どのように期待と接してきたのか、その要素とプロセスを探索した。 調査を行った対象者は医学部生9名であり、半構造化インタビューを用いた。これまでの人生や親との関わりの中でどのような経験をし、どのような期待に関する出来事があったのか、それに対してどのように対処してきたのかについて語ってもらった。インタビューは2度行い、1度目は1時間程度、2度目は30分程度であった。得られた結果を用いて、複線径路・等至性アプローチ(TEA)によって分析を行っている。 現段階での結果として、高い期待を感じ、期待に苦しんだ学生が選択した期待への対処方略としては、将来的展望の重視、代替手段の準備、親子関距離の調整、期待されているという励みなどが抽出された。 本研究の課題として、今回の研究参加者は医学部に合格した学生であり、親の期待に対して大きな挫折を経験したとは言い難い学生に限定されている点が挙げられる。今後、一度途切れたのちにどのように適応しなおすのかという観点からも検討が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は総合大学の学生に対するインタビューも完了予定であったが、コロナ禍の発生により、リクルートが困難になったため、予定数を達成できていない。またインタビュー方法では、対面のみであった当初の予定からオンラインも含めたものに変更をしたため、設備や方法論の準備に時間を要したことも要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前期中にインタビューを完了させ、後期に行う質問紙調査の準備を始める。コロナ禍により、当初予定していた海外での調査の実施が非常に厳しいため、オンラインアンケートをはじめとした代替手段について検討し、準備を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた遠方でのインタビュー調査およびその他研究活動がコロナ禍のため実施不可になり、その旅費および謝礼として組んでいた予算が不要になったため次年度使用額が生じた。 今年度実施予定のオンラインアンケートの実施費用や、新たな調査の協力費として使用予定である。
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