2023 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症者におけるユーモアを用いた情動調整とその支援に関する研究
Project/Area Number |
20K14165
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
永瀬 開 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (70784495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ユーモア / 情動調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、社会的コミュニケーションの障害及び、興味の限局と反復的行動パターンを特徴とする自閉スペクトラム症(ASD)者において、ユーモアを用いた情動調整の使用について検討している。ASD者においては情動調整の困難さが頻繁に指摘されるとともに、この情動調整の困難さがASD者のQOLを低下させている可能性が指摘されている。 本研究ではこれまで、典型発達者を対象にしたASD特性と情動調整との関係について検討してきた。その結果、典型発達者においてもASD特性が強いほど、反芻や自責、破局的思考といった不適応的な情動調整法略を使用しやすく、肯定的再評価や肯定的再焦点化、計画への再焦点化といった適応的な情動調整法略をしない傾向があることが明らかになった。その一方で、典型発達者におけるASD特性とユーモアを用いた情動調整法略の使用との間に明確な関連は見られず、特にこだわり行動の特性とユーモアを用いた情動調整法略の使用との間には正の関連が見出された。これらの結果は、ASD傾向の強い者における不適応的な情動調整方略の使用に対する介入の必要性を示唆している。それとともに、不適応的な情動調整方略の使用に対する介入の方向性として、ユーモアを用いた情動調整方略の使用の促進の可能性も示唆している。これらの結果は、Humor誌やPsychological Reports誌といった国際誌において発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自閉スペクトラム症者を対象とした質問紙調査を実施し、自閉スペクトラム症者におけるユーモアを用いた情動調整に関するデータを得ることができた。しかしながら、データの分析については未だ実施できておらず、学会での発表や学会誌での発表も行うことができていないことから、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、自閉スペクトラム症者におけるユーモアを用いた情動調整に関するデータ分析を早急に行い、学会及び、誌上にて発表していく。
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Causes of Carryover |
今年度は自閉スペクトラム症者を対象としたユーモアを用いた情動調整に関するデータを取得することができたが、得られた成果を公表するまでには至らなかった。そのため、次年度は得られたデータの分析を行い、その成果を学術会議や学術雑誌において公表する予定である。
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Research Products
(4 results)