2020 Fiscal Year Research-status Report
中学生の悩み及び相談行動の価値・コスト認知に及ぼす教師の働きかけの効果の検討
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20K14173
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
後藤 綾文 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (90708447)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相談行動 / 援助要請 / 教師の働きかけ / 学習行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は、教師への相談を促す働きかけと生徒同士の相談を促す働きかけが、教師への自律的な相談意欲・依存的な相談意欲とクラスメイトへの自律的な相談意欲と依存的な相談意欲を高める影響過程を検討することであった。 相談行動の研究において、個人が他者に相談する過程で周囲の他者や所属する集団からの影響を受けるメカニズムはいまだ実証的に検証されていない。後藤・中谷(2018)では、援助要請を促す教師の働きかけが学級風土を介して、教師やクラスメイトへの相談意欲を高めることを明らかにした。しかし、相談意欲の質として自律的であるか、依存的であるかについては検討されていない。学校現場で生かせる知見にするためにも、どのような働きかけがより自律的な相談意欲を高めるのかを明らかにする必要がある。 コロナ禍での調査ということで、複数校の調査協力校と打ち合わせを重ね、本年度はまずクラスメイトへの相談意欲への影響に焦点を当て、研究を進めることになった。中学生にとっては友人の影響が大きいため、学習活動を共に行う友人ネットワークと親しい友人ネットワークを尋ね、友人ネットワークと相談意欲との関連に着目した。3時点にわたり縦断調査が実施できたものの、コロナ禍での調査の実施自体や、友人ネットワークを尋ねることへの配慮と生徒が簡便に回答するための準備、友人ネットワークデータの入力・管理などに過重な負担がかかり、データ分析はいまだ継続中の段階である。 なお、この結果は次年度以降、諸学会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍であったものの、複数の中学校で縦断調査を実施することができ、多くの研究成果を得た。当初の研究計画に記載した研究計画以上に進展できた部分があるが、学校の休校や再開などもあったため、学校現場の状況や要望に合わせて研究内容を調整した部分がある。また、データ分析が十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のデータを分析し、教師の働きかけが生徒の相談に対する認知や相談意欲にどのように影響を及ぼすのか、教師の働きかけがどのような生徒にとって効果的であるのかについて、明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍のため、海外学会や日本の学会が開催されないまたはオンライン開催となり、旅費を使用することがなくなった。一方で、コロナ禍での調査ということで調査協力校との打ち合わせの結果、計画していたよりも多くの調査を行うことができたために、研究で使用する商用の心理尺度を多く購入することとなり、物品費が高くなった。 2021年度は、引き続き海外学会や日本の学会がオンライン開催となるため旅費自体は使用しないが、オンラインで学会に参加していく。また計画していたように、2021年度も商用の心理尺度を用いて研究を進める予定であるので、その費用に充てていく。
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Research Products
(3 results)