2021 Fiscal Year Research-status Report
脳活動計測を用いた高齢者施設における粘土対話法の開発
Project/Area Number |
20K14193
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
矢口 大雄 和洋女子大学, 人文学部, 助教 (10826655)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 粘土対話法 / 発話行動 / コミュニケーション / 心理的支援 / 脳活動計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者施設入居者間のコミュニケーションに着目し、粘土対話法を導入することによって、高齢者間の発話行動や自発的な表現活動、情動機能の活性化について、心理・行動・生理的指標から検討し、高齢者のQOL(生活の質)を向上させるための心理的支援策の開発に役立てることを目的とした。令和3年度の研究計画では、粘土対話法の情動機能測定に関する調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、高齢者施設での調査の受け入れが困難な状況であったため、調査の実施には至らなかった。そのため、昨年度に作成した心理的評価表の一部に修正を加え、先行研究のデータや文献をもとに行動評価表を新たに作成した。また、生理的指標として携帯型脳活動計測装置を用いるため、成人健常者を対象に粘土対話法を試験的に実施し、脳血流量変化を分析した。さらに、粘土対話法は、高齢者施設職員が比較的容易く実施することができ、また効果を検証しやすい必要があるため、調査実施後に施設職員から実施結果のフィードバックを受けるためのインタビューガイドを作成した。心理・行動評価表と生理的指標、インタビューガイドをもとに、粘土対話法の調査実施計画の見直し、調査の対象者数や実施回数、実施時間などを変更することにした。 本報告の執筆時点では、高齢施設入居者同士が対面で接触することが困難な状況にあるため、調査対象者を高齢者と介護者に変更したり、調査人数を限定したりするなど、調査が実施できる環境を整備したうえで、令和4年度は粘土対話法を実施し、その有用性を心理・行動・生理的指標から検証する予定である。なお、調査結果で得られた成果は、学会や学術論文等で発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
粘土対話法の情動機能測定に関する調査実施の準備は完了しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、高齢者施設での調査の受け入れが困難な状況にある。そのため、調査の実施には至っておらず、研究計画を変更したため、研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者施設入居者間のコミュニケーション時の情動機能変化を測定することを計画していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、入居者同士の対面での接触が困難な状況にある。そのため、調査対象者を入居者と介護者に変更するなど、調査が実施できる環境を整備したうえで、粘土対話法の有用性を心理的評価表から検証する予定である。
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Causes of Carryover |
調査実施時期の変更に伴い、当該年度の使用額に変更が生じた。 次年度使用額と当該年度の未使用額を合わせて使用し、申請時の計画内容に沿って研究を実施する予定である。
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