2021 Fiscal Year Research-status Report
うつ病に対する認知行動療法の長期観察にもとづく治療予測因子の検討
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20K14196
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉田 知佳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (00793431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | うつ病 / 認知行動療法 / 長期観察 / 治療予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病は多様な病態であり、症状が遷延化し治療が長期に渡る場合も多く、患者の人生に大きな影響を及ぼす。認知行動療法は、国内外のうつ病治療ガイドラインにおいて薬物療法とともに標準治療の1つとして推奨されているが、妥当な科学的方法論にもとづいて心理・社会学的観点から検討された長期経過の報告は極めて少ない。本研究では、認知行動療法を施行したうつ病患者の経過を追跡評価し、認知行動療法の長期経過と、背景因子、生活状況、症状等の臨床指標の包括的な評価指標との関連を明らかにすることを目的としている。それにより、認知行動療法の長期経過や転帰に関する機序の解明に貢献し、認知行動療法の転帰予後予測の精度が上がることが期待されている。
2021年度の計画では、これまでに認知行動療法を施行した既存データ(人口統計的特性、診断や症状、病前気質、既往歴、家族歴などの臨床特性の包括的評価、認知行動療法施行中の評価データ、認知行動療法終了後の追跡評価データ)の整備に加え、経過に関する新たなデータを定期的に収集しながら症例数の蓄積を進めること、また、データ解析に向けて登録被験者数を新たに増やすとともに、定期的な経過観察評価を積み重ねていくことを予定していた。
2021年度の実績として、これまでに認知行動療法を施行した既存データの整備に加え、2020年度に立案した研究計画に沿って、登録被験者数を新たに増やし、経過に関する新たなデータの収集を定期的に行った。症例数の蓄積とデータ解析は次年度以降の継続事項として計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿い、2年目であった令和3年度は、これまでに認知行動療法を施行した既存データ(人口統計的特性、診断や症状、病前気質、既往歴、家族歴などの臨床特性の包括的評価、認知行動療法施行中の評価データ、認知行動療法終了後の追跡評価データ)を整備し、また登録被験者数を新たに増やし、経過に関する新たなデータの収集を定期的に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データの蓄積に向けてさらに登録被験者数を新たに増やすとともに、定期的な経過観察評価を積み重ねていく。経過観察評価にあたっては、構造化された診断面接や評価面接、自記式質問紙の定量データを用いる。集積したデータは、データクリーニング等の統計解析に向けた準備を進める。最終段階では、これまでの症例データを用いて評価指標と長期経過の関連について生物統計的手法を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
今年度も新型コロナウィルス感染拡大に伴い、研究計画通りの遂行が困難である部分が生じた。特に、多くの学会がwebで開催されたため、旅費が発生しなかった。
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