2023 Fiscal Year Annual Research Report
大学生の抑うつ予防に対するうつ病のためのメタ認知トレーニングの効果検証
Project/Area Number |
20K14204
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
武田 知也 人間環境大学, 総合心理学部, 講師 (70748061)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大学生 / 抑うつ / D-MCT / うつ病のためのメタ認知トレーニング / 無作為化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍により、1、2年目にD-MCTが実施ができなかった。そのため、当初の予定を変更し、最終年度も対面によるD-MCTを95名に実施した。現在、昨年度、今年度の2年間のデータをまとめて解析している。 1、2年目は、コロナ禍によって、大学生の生活・学習環境は大きく変わり、それらの変化によって抑うつ症状が重症化している可能性があった。そこで、1年目、2年目は、コロナ禍による大学生活の変化、具体的には、コロナ禍によって生じた学習に対する不安、経済的不安が抑うつ症状、不安症状、不眠症状へ与える影響を検討した。また、学習面での不安を抱えるものが将来を悲観的に捉えることによって抑うつ症状を増悪させている可能性についても検討した。その結果、学習面での不安を抱えるものは抑うつ症状、不安症状、不眠症状が増悪し、抑うつ症状については将来を悲観的に捉えることが影響していることを明らかにした。また、D-MCTが介入ターゲットとする10種類の認知の歪みを測定する尺度がないため、海外で作成されたCognitive distortion scaleの日本語版を原著者の許可を得て作成した。1、2年目の研究成果を受けD-MCTの内容を変更し、対面授業が実施可能となった3年目、4年目に大学1年生175名を対象に、介入群、コントロール群にランダムに割り付け、D-MCTの抑うつ予防効果を検証した。現在、参加したすべての学生、そしてカットオフ得点を超える抑うつ症状を示す学生を対象に、抑うつ症状、認知、メタ認知、自尊感情に対するD-MCTの効果を解析し、カットオフ得点を超える学生への認知面への効果、特にポジティブな思考の生起頻度に影響を与えることを明らかとした。
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