2020 Fiscal Year Research-status Report
大学生のSNSコミュニケーションに対するアサーショントレーニングモジュールの開発
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20K14212
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
安達 知郎 京都教育大学, 大学院連合教職実践研究科, 准教授 (90710228)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SNS / 大学生 / 自由記述 / カイ二乗検定 / 長所 / 短所 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、AT for SNS(大学生のSNSコミュニケーションに対するアサーション トレーニング)を仮作成するための基礎的知見(大学生が認知するさまざまなSNSの長所と短所)を収集した。 具体的には、大学生108名に対して、LINE、Twitter、Instagram、Facebook、Tiktokの長所と短所について、自由記述で回答を求めた。 96名から得られた長所、短所についての自由記述をそれぞれカテゴリ化した(ただし、使用頻度の低かったFacebookとTiktokは分析から除外した)。カテゴリ化の結果、長所として情報収集、気軽、情報発信、自己表現、関係作りなど9個のカテゴリが得られた。また、短所として壁の低さ、他者への意識過剰、攻撃的など9個のカテゴリが得られた。さらに、カイ二乗検定を用いてサービス間で長所、短所の回答比率をそれぞれ比較した結果、以下の2点が明らかになった。(a)LINEでは相手が自分のコミュニケーションをどう思っているかというテーマが喚起されやすいのに対して、Twitter、Instagramでは自分がどうコミュニケーションするか、自分が相手のコミュニケーションをどう思っているかというテーマが喚起されやすい。(b) Twitterではコミュニケーションが攻撃的-被害的なものになりやすいが、Instagramでは侵入的-被侵入的なものになりやすい。 本研究の結果から、それぞれのSNS上でのコミュニケーションに対して利用者が向ける期待、利用者が感じる困難の違いが明らかになった。今後は、これらの知見を踏まえ、AT for SNSで取り上げる事例の収集を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では、2020年度中に調査を2回実施し、AT for SNS(大学生のSNSコミュニケーションに対するアサーション トレーニング)を仮作成する予定であった。しかし、新型コロナウィルスの蔓延により、調査対象者である大学生への調査依頼が十分に行えず、調査を1回しか実施できなかった。調査をWeb調査に切り替えたことで、調査を1回実施することはできたが、AT for SNSの仮作成には至っていない。以上のことから、進捗状況は「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
AT for SNS(大学生のSNSコミュニケーションに対するアサーション トレーニング)仮作成のために、2020年度に調査を2回実施する予定であったが、コロナウィルスの蔓延により調査を1回しか実施することができなかった。2021年度もコロナウィルスが収束する可能性は低く、予定通り、調査を実施することは難しいと考えられる。しかし、2020年度にWeb調査が実施可能であることが確認されたため、規模を縮小した上で、2021度前半に、2020年度に実施できなかった調査をWeb上で実施する予定である。 計画では、2021年度にAT for SNSの効果を測定する予定である。AT for SNSは対面、集団実施のプログラムを想定しているため、その効果測定には、AT for SNSを対面かつ集団で実施する必要がある。しかし、今後のコロナウィルスの蔓延状況にもよるが、AT for SNSを対面かつ集団で実施することは難しいと考えられる。そこで実施方法を変更した上で(小集団、個別での実施など)、2021年度後半にAT for SNSの効果を測定する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は、コロナウィルスの蔓延により、予定していた調査を一部、実施できなかったため、物品費、人件費・謝金の支出が予定よりも少なくなった。また、出席を予定していた学会等が中止になったため、旅費の支出がなかった。これらの影響により、次年度使用額が生じた。 2021年度は、コロナウィルスが蔓延した状況でも、ICTを活用するなどして、調査の実施、学会への参加(オンライン)を行う予定である。それに伴い、物品費、人件費・謝金を支出する予定である。
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Research Products
(1 results)