2020 Fiscal Year Research-status Report
ストレッサー経験後の習慣行動への依存:知見の拡張と緩和要因の検討
Project/Area Number |
20K14213
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 駿太 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30823603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / コルチゾール / 習慣行動 / 回避行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は,ストレッサーの経験が習慣行動に及ぼす影響を検討したこれまでの研究を拡張し,臨床心理学的な支援への示唆を得ることを最終目的とするものであった。 今年度は,急性ストレッサーが習慣的な回避行動への依存に及ぼす影響を検討するための実験実施を計画していた。これに際して,まずは研究遂行に際して必要となる,唾液中のストレスホルモン(コルチゾール)を定量化するための設備(マイクロプレートリーダー,遠心分離機,等)を導入した。これによって,ストレッサーが適切に作用しているか否かを客観的に確認するとともに,ストレスホルモンが習慣行動に及ぼす影響を検討するための基盤を整えることができた。また,習慣的回避行動を測定するための実験手法について,再度最新の文献の収集を行い,より適切な実験手法について吟味した。最新の文献レビューに基づいて実験手法を再検討し,当初計画していた,不快音声刺激等を用いた方法とは異なる,より侵襲性を低くしつつも適切な測定が可能と思われる方法を立案した。しかしながら,新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い,唾液試料の扱いに留意する必要性や,所属機関への入構制限等の関係から,参加者募集が困難であった。したがって,種々のリスクをふまえて,年度内の実験実施は見合わせた。 今年度は新型コロナウィルス感染症の拡大状況に鑑み,計画していた実験実施を見送ったが,次年度以降随時データ収集を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では,今年度急性ストレッサーが習慣的回避行動に及ぼす影響を検討する研究1を実施予定であったが,新型コロナウィルス感染症の拡大の影響により,対面での実験実施ならびに唾液試料採取が困難な状況となった。今年度予定していた機材の確保などは概ね順調に進んでおり,研究計画の立案そのものは予定どおり進んだことから,次年度対面での実験実施が可能な状況となれば進捗を期待できるが,現状の状況を総合的に判断し,やや遅れていると判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,感染症対策にも十分配慮のうえ,急性ストレッサーが習慣的回避行動に及ぼす影響を検討する研究のデータ収集を試みる。ただし,対面での実験の見通しが持てない場合には,やむを得ずオンラインでの実験実施や,調査研究への切り替えを視野に入れて研究遂行を試みる。
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