2021 Fiscal Year Research-status Report
ストレッサー経験後の習慣行動への依存:知見の拡張と緩和要因の検討
Project/Area Number |
20K14213
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 駿太 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30823603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / コルチゾール / 習慣行動 / 回避行動 / 目標志向行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,急性ストレッサーが習慣的な回避行動への依存に及ぼす影響を検討するための実験実施を計画していた。 しかしながら,新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い,唾液試料の扱いに留意する必要性や,所属機関への入構制限等の関係から,参加者募集が困難であった。したがって,種々のリスクをふまえて,年度内の実験実施は見合わせた。 したがって,実施計画を一部変更し,本研究計画に関連するトピックとして,ストレスと日常的な習慣行動の関係について明らかにするための調査研究を行った。具体的には,日常生活において広範にみられ,一定の問題性を有する行動である過度なスマートフォン使用に着目し,ストレス反応が習慣的なスマートフォン使用を促進する可能性について検証した。一般人口約350名を対象としたインターネット調査を実施した結果,その結果,抑うつや不安などのストレス反応は,「時間をつぶしたいから」といった習慣的なスマートフォンの使用動機の促進を介して,問題のあるスマートフォン使用を促進することを示すデータが得られた。 このように,研究計画に関連するトピックについて一定の成果は得られたものの,当初目的について直接的に追求するための研究は今年度も引き続き実施が困難であった。今年度は新型コロナウィルス感染症の拡大状況に鑑み,計画していた実験実施を見送ったが,次年度は状況をみつつ当初計画されていた実験研究の実施を随時随時試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要に述べた通り,当初研究計画に関連するトピックについて一定の成果が得られたものの,新型コロナウィルス感染症の影響で,当初予定していた実験を実施できなかった。次年度対面での実験実施が可能な状況となれば進捗を期待できるが,現状の状況を総合的に判断し,遅れていると判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症拡大下において,感染防止策をとりながら実験を実施するノウハウも蓄積されつつあるため,感染状況をみながら実験実施を試みる。必要に応じて研究実施期間の延長も視野に入れる。
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Causes of Carryover |
今年度は,当初予定していた実験実施に伴う謝金,データ解析に使用する試薬への支出を行う予定であったが,新型コロナウィルス感染症流行に伴い実験実施が困難であったため,次年度使用額が生じた。今後,当初予定していた実験の実施を引き続き試みる。
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