2020 Fiscal Year Research-status Report
日常会話形式による認知症評価法の医療・福祉・地域における活用可能性の検証
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20K14220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大庭 輝 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (60783412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / スクリーニング / コミュニケーション / 会話 / 自然言語解析 / 介護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により新規の調査を進めることができなかったため、これまでに収集したデータを用いた予備的な解析を行った。本研究で用いている日常会話による認知症評価法である日常会話式認知機能評価は15項目で構成されるが、既存の認知症スクリーニングとして用いられているMini-Mental State Examinationの得点を基に精査をしたところ、8項目でも十分な精度を持つことが示された。抽出された項目の多くは記憶や見当識が関連しているとされるものであり、アルツハイマー型認知症の特徴と整合すると考えられた。より少ない項目での評価は評価時間の短縮にもつながるため、実用性の高い評価法として活用が期待される。 一方、専門職でない者が評価した場合の精度について検証するために心理職と家族介護者の得点を比較したところ、家族介護者は認知機能を評価するにあたって自身の介護負担感などの影響を受けやすくバイアスが入りやすいことが示唆された。しかしながら、認知症高齢者と家族介護者では関係性が近いため、民間企業の職員による評価のように一定の距離が取れている場合の評価精度については今後の検証が必要である。これらの成果の一部は日本老年社会科学会及び日本老年精神医学会で報告した。 また、収集した会話記録を基に、評定者間信頼性の検証や自然言語解析による評価制度の検証を進めており、学会での発表を計画している。感染症が収束次第、新たなデータの収集を再開する予定であり、そのための打ち合わせを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により調査が中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の再開時期や再開後の実施方法について打ち合わせを進めている。
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Causes of Carryover |
前述の理由により新規調査の実施ができず、旅費や謝金の支出が予定よりも少なかった。調査の再開により支出の増加が見込まれるため、次年度以降に活用する。
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Research Products
(3 results)