2022 Fiscal Year Research-status Report
社交不安における自己注目リアルタイム測定とバーチャルリアリティ介入システムの開発
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20K14231
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
富田 望 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (30823364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社交不安症 / 自己注目 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、社交不安症における自己注目状態をリアルタイムで検知・フィードバックするシステムを開発するために、インタラクティブバーチャルリアリティスピーチシミュレーションシステム(Liao et al., 2018)を用いた、フィージビリティスタディを実施した。本システムは、VR上でスピーチ課題を行うプログラムであり、実験参加者(発話者)の反応によって聴衆であるアバターのフィードバックが変化するという相互作用が組み込まれている。大学生1名を対象にVR上でスピーチ課題を実施した結果、VRでのスピーチ課題によって、状態不安、自己注目、外的な脅威刺激(アバターの聴衆)に対する注意バイアスが高まることが各尺度得点の変化によって確認された。今後は、本システムを用いてデータを収集するとともに、フィードバックのシステムを改良していく必要がある。 第2に、大学生37名を対面スピーチ・自己像有り(鏡を呈示)群、対面スピーチ・自己像無し群、オンラインスピーチ・自己像有り(参加者自身のビデオをオンにする)群、オンラインスピーチ・自己像無し群に振り分け、スピーチ課題中の不安、自己注目、客観的な視点の程度を比較した。その結果、オンラインや対面に関わらず、自己像が有る場合は無い場合と比較してスピーチ中の自己注目が低減することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バーチャルリアリティー(VR)のシステム作成や自己注目を視線情報によりリアルタイムでモニタリングする方法を開発することに時間を要しており、本課題の到達目標としている研究については予備的な検討に留まっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度に完成したシステムを用いてデータを収集するとともに、自己注目の程度を基に聴衆のアバターの反応を変化させていくシステムを共同研究者とともに開発していく。
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Causes of Carryover |
本年度はVRのシステム作りや行動・生理指標の測定技術を整備することが中心となっており、VRシステムを用いた本実験は次年度に行う予定である。そのため、次年度は、研究参加者への謝金、VRシステム作りやデータ解析の補助業務を担う人件費、実験に必要な消耗品の購入費、研究成果を発表するための英文校閲費や旅費等が必要となる。
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Research Products
(9 results)