2021 Fiscal Year Research-status Report
性暴力行動を扱う専門家のための学習資源と研修カリキュラムの構築
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20K14234
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
毛利 真弓 同志社大学, 心理学部, 准教授 (70780716)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 性問題行動を持つ子ども / 性暴力 / 専門家研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年4月~6月は,前年度(2020年度)に行ったヒアリングや実践の結果のまとめ作業を行い,最もニーズが高い「児童の性問題行動を扱う専門家」を対象に,「基礎知識」と「介入を実践する専門家向け」の2種類に分けて教材を作成することに決定し,資料の準備や講義を行う専門家への依頼等を行った。ヒアリングの結果,子どもの性問題行動については介入を担当する心理職のみならず,学校の教員や養護教諭,児童福祉施設の職員など多くの専門職がその理解と対応に悩んでいることが顕著であることがわかり,子どもに関わる多くの職業の方に,広く基礎的知識をつけていただくことが重要であることが顕著となった。 2021年7月~11月にかけて,基礎編9本(1本およそ30分),介入実践者編7本(1本およそ30分)を作成・編集した。2022年3月には,最終版のDVD教材を完成させた。 2021年1月~3月は,教材DVD編集・作成作業と並行して,次年度に教材を使って研究に協力してくれる組織への依頼・説明等を行った。2022年度は,実際に教材を使用した学習を行ってもらい,その効果(性問題行動への理解の深まり,性問題を持つ人への態度の変化等)を検証する予定である。 性問題行動の機制や対応についての理解が深まる事は,対象となる性問題行動をした子どもへの偏見を減らすだけでなく,子どもと大人との関係性が良好になり問題行動に取り組みやすい環境づくり(処遇効果の向上)につながる。動画教材という間接的な研修であってもこうした目的が果たされるのか,今後も検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であったヒアリングと内容の決定,及び実際の教材開発を年度内に終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,実際に教材を使用した学習を行ってもらい,その効果(性問題行動への理解の深まり,性問題を持つ人への態度の変化等)を検証する予定である。「性問題行動を理解している専門家」を増やすために,動画教材という間接的な研修であってもこうした目的が果たされるのか,今後検討していきたい。
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Causes of Carryover |
DVD教材に登壇していただく方の回数が当初の回数より少し少なくなり,謝金が余ったため。来年度の教材印刷の費用や郵送費に充てる予定。
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