2020 Fiscal Year Research-status Report
多様な労働環境における仕事からのディタッチメントに関係する要因の認知行動的理解
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20K14238
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 志津香 山形大学, 人文社会科学部, 客員研究員 (70846922)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 仕事からのディタッチメント / 在宅勤務 / 労働者のメンタルヘルス / ワーク・エンゲイジメント / テレワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,勤務形態の違いによって仕事からのディタッチメント(勤務時間外に仕事から身体的・心理的な距離を取ること)が異なるか検討した。クラウドワークスを用いたオンライン調査を行い,労働者300人のデータを得た。そのうち156名を,オフィス等に出社して仕事を行う出社群,92名を在宅勤務群とし,仕事からのディタッチメントなどの指標について,各得点を比較した。その結果,(1)オフィス等に出社している労働者と比較し,自宅等にて勤務する労働者は仕事からのディタッチメントが難しいこと,(2)オフィス等に出社している労働者と比較し,自宅等にて勤務する労働者はワーク・エンゲイジメントが高いことが明らかになった。仕事のオンオフの区別が付けづらい状況は,仕事のストレッサーとなり,終業後も仕事に関連する事柄や活動を続けやすいことが示された。 また,2020年度の後半には,現在行っている課題や外界の環境から注意がそれて関係のないことを考える現象を指す,マインドワンダリング傾向の高さと仕事からのディタッチメントの関連について検討すべく,データの収集を行った。次年度に向けて,さらなるデータを分析している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に基づき,調査を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,新たなデータを収集しており,データの分析を行っている段階である。今後も引き続きデータ分析を進め,学術雑誌や学会にて発表を行う。さらに,今年度もデータが収集できるよう研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
所属機関の変更や新型コロナウイルスの流行により,データの取得方法を変更したため当初の予定よりも使用する金額が少なくなった。次年度は,社会情勢の変化に応じてデータの取得方法を再検討し,当初使用する予定であった調査会社を通したデータ収集を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)