2020 Fiscal Year Research-status Report
The role of allostasis in auditory-motor integration in infancy
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20K14253
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新屋 裕太 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (20803828)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アロスタシス / 聴覚運動統合 / 乳児 / 運動 / 発声 / 心拍 / 自律神経系 / 音楽性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、乳児期の聴覚-運動感覚の統合過程においてアロスタシス制御 (予測的なホメオスタシスの維持) が行われている可能性について検証することを目的とした。私たちの多様な音声生成には聴覚-運動系の相互作用が必要不可欠である。これまでに乳児期早期の時点ですでに聴覚―運動の統合に基づく学習を開始している可能性は示されているものの、その際の神経生理学的なプロセスについてはほとんど知見がない。そのため本課題では、乳児期早期の児を対象に、自発発声および四肢運動を聴覚フィードバックし、その際の行動・生理活動の変化のプロセスや両者の相互作用に着目した検討を進める。 今年度は、COVID-19の感染拡大のため、実験室での新規データの取得は実施せず、既存データの再分析および、その成果報告を中心に進めた。再分析については、申請者が2018-2019年度に取得したデータ(生後3ヶ月児を対象に、自発的な四肢運動を四肢運動可聴化用センサによってフィードバック し、その際の四肢運動および抹消生理状態を測定した40名分のデータ; 新屋ら, 2019 日本赤ちゃん学会)を対象とした。 上記データの分析により、3ヶ月児は四肢運動の可聴化経験を通じて、運動頻度を増加させることに加え、聴覚フィードバックの直前のタイミングにより選択的に心拍数を増加させ始め、心拍数増加のピーク強度を徐々に抑制することがわかった。この結果は、聴覚-運動相互作用の出現には、心血管のホメオスタシスを維持するための予測的な調節が暗黙のうちに行われていることを示唆している。このような予測的な調節は、より洗練された目標志向的行動や音楽的行動の発達基盤となっている可能性がある。本成果は、国際乳児学会において発表し(Shinya, Oku, Watanabe, Taga, & Fujii, 2020)、現在、国際学術誌に論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はCOVID-19の影響により新規データの取得は中止せざるをえなかったものの、既存のデータの再分析に注力することで、新たにインパクトの高い成果を得ることが出来た。その研究成果は国際学会や一般書籍において報告したほか、論文の執筆を行い、国際学術誌に論文投稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度もCOVID-19の影響により、今現在、実験室での対面でのデータ取得については再開の目処が立っておらず、早くとも後期以降になることが予想される。そのため、来年度は実験室での新規課題の準備を進めつつ、オンライン実験(実験参加者のご家庭でのデータの取得)についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、今年度行う予定であった実験室での乳児と保護者を対象とした新規の実験課題を実施することが出来ず、その課題については、次年度以降に実施および、その費用(物品費・謝金)を支出する必要が出たため。
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Research Products
(3 results)