2020 Fiscal Year Research-status Report
認知活動活性操作パラダイムによる意味短期記憶保持メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K14271
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西山 亮二 広島国際大学, 健康科学部, 助教 (10737844)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない,接触のある実験室実験の遂行が困難となったため予定していた実験を中断せざる得ない状況に陥った.そのため予備的に,多階層ニューラルネットワークモデルを用いたコンピュータシミュレーション研究を行った.研究の目的は,短期記憶における時系列情報の保持に必要な認知メカニズムを推定することであった.シミュレーションで使用したニューラルネットワークモデルには「long short term memory」のレイヤーが組み込まれていた.このモデルを用いて,系列再生課題(短期記憶課題)の実験をシミュレーションしたところ,典型的な結果であるU字型の系列位置曲線が得られた.「long short term memory」レイヤーは積極的な情報の保持と忘却,つまり記憶情報のアップデートを可能とすることから,作動記憶の概念と親和性が高いと考えられる.よってこの「long short term memory」レイヤーを持つニューラルネットワークモデルによる系列位置曲線の再現は,作動記憶研究に大きく寄与すると考えられる.現在,このシミュレーションの結果を科学雑誌に投稿するために原稿を準備している.今後は,このニューラルネットワークモデルを改変し,意味情報の系列の一時的な保持をもたらすメカニズムの推定を行う予定である.加えて,当初より予定していたtranscranial direct-current stimulation(経頭蓋直流電気刺激)を用いた実験結果についてもシミュレーションで再現できるか検討する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない,接触のある実験室実験の推敲が困難となったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
実験実施が制限される場合は,コンピュータシミュレーション研究を継続し,実験実施が可能であれば計画通り進行する.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため,接触を伴う実験が遂行できなかったため,機材の購入を見合わせた.
|